第9話 いちごにこにこ




「わあ! いちごだ!」


 テーブルのうえに、いちごがいち、にぃ、よん、ごー……


「たべていい?」

「いいよ!」


 いちごはさきっちょがおいしいんだよって、このまえおじいちゃんがいってた。

 ママはいちごをとんすかとん、ってうすくきることがおおかったけど、おじいちゃんのはなしをきいてから、よっつにきるようになった。

 どれをたべても、さきっちょをたべられるように、だって。

 うすいやつより、よっつにきったやつのほうが、もぐもぐしたとき、おいしくてたのしい。

 そういえば、おじいちゃんは「れんにゅうよりもぎゅうにゅうだ」とも、いってた。

 ぎゅうにゅうといちごをなかよしにすると、いちごミルクになるんだって。


「ママ、ぎゅうにゅう」

「ぎゅうにゅうがどうしたの?」

「いちごミルクにするの」

「おじいちゃんみたいなこというねぇ」


 ママは、ちょっとわるいことをかんがえてるひとみたいにわらって、ぎゅうにゅうとれんにゅうをもってきてくれた。


「ぎゅうにゅうだけでいいのに」

「チッチッチ。リンはまだまだだなぁ」


 ぷう!

 なんなのさ! まだまだって、なんなのさ!

 

「ぎゅうにゅうだけより、どっちもがいいのだよ!」

「やーだ! ぎゅうにゅう!」


 あたしはいじをはって、ぎゅうにゅうでいちごミルクをつくった。

 いちごのにおいがするぎゅうにゅうのあじがした。


「まぁまぁ、のんでみてよ」


 ママがいちごれんにゅうぎゅうにゅうを、あたしのまえにことん、とおいた。

 しかたないなぁ。のんであげよう。


「あまい! おいしい!」

「でしょー?」


 いちごをたべて、いちごをのんだ。

 たべかたってひとつじゃない。

 あたし、いつか、おじいちゃんやママよりもおいしいいちごにするほうほう、みつけたいな!



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