大人になったら何になりたい?

 子どもの頃、大きくなったら何になりたい?という質問を、大人からたくさんもらった記憶があります。

 仮面ライダー、学校の先生、お医者さん…。どれも子どもならではの、実現するのは難しい夢ばかり見ておりました(笑)


 少し成長したかいりちゃん。中学生の頃の夢は!?というと…、これまたぶっ飛んだ夢を見ています。


 それは、人間国宝になること!と絵画の修復師になることです。


 陶芸家の人間国宝になりたかった時期があるのです。山に籠って、仙人の様な暮らしをしながら、気に入らない作品を叩き壊しちゃうような頑固な人間国宝に。でも山は虫がいっぱいいるので断念。ま、その程度の夢だったってことでしょう。残念なかいりちゃんです。


 そしてもう一つ、それはバチカンに保管されているルネサンス時代の絵画とか壁画とかを修復する仕事。時代の波に押しつぶされ、当時の作家が描いた真の絵画を取り戻す仕事がしたい。って本気でかいりちゃん、美大に行きたい!って夢見てました。


 理系なのにね。アートにも興味深々だったわけです。


 なんでこんなお話から入ったのか!?というと~、長時間のお仕事で心をすり減らした現在のかいりさん。同僚とお食事をしながら昔の夢のことを話していたのです。その時思い出した、修復師の夢の話。なんだかワクワクするお仕事ですよね。きっと。


 でもこの日、かいりさんはとっても疲れていました。だっていろいろな人を見てきた一日だったから、本当に酷い人たちがいたのにお客様だからニコニコしていなければならない自分に腹をたてていたから、体力的に疲れていたから…。理由をあげればいっぱい!なそんな日に見た夢のお話です。


* * *


かいりさんには、部下がいました。女の人と男の人。名前も顔も登場人物のことはまったくもって覚えていない、そんな夢の始まりです。


桔梗ききょうさん、この作品ちょっと変なんです。」

「うん?何が~?」

「表の絵とまったく違うものが現れてきてるんです。」


 どれどれ?とかいりさん、部下ちゃんが作業している絵画を覗いてみます。


「本当だね。これって…、もしかして…まさかね。」


 かいりさん、若干興奮しています。これは伝説になっている大発見!呪いの絵ではないか!?と思ったのです。

 確か…魔女っぽい、いわゆる鷲っ鼻に黒のフードを被った皺しわのお婆ちゃんの顔が半分見えてきていたのです。


かいりさん、これって…。」

「うん。そうかも。」


 もう一人の部下くんも気づいたようです。


「これは後回しにしよう。ちょっと私も調べるから。」


 かいりさん、部下ちゃんの作業台から絵画をうけとり、くるくるくるって、賞状のようにまるめてリボンをかけます。リボンはどこからでてきたのか…、油絵は紙じゃないよね!?というツッコミは、夢なのでね。あくまでも夢なのでお許しくださいませ。


 そうこうしているうちに、今度は部下くんが変なことを言ってきます。


かいりさん、部下ちゃんがさっきから変なんです。いつも元気なのに熱があるみたいで…、これって絵の呪いじゃないですかね?」

「そんなバカな。」


 かいりさん、慌ててさきほど丸めた絵画を見ようとします。リボンをとって長椅子(ベンチみたいな椅子)にパラ~と広げます。


「…。」


 広げたはずの絵画が、まるでトイレットペーパーのように、くるくるくる~って転がって床におちたのです。


「やばっ。」


 かいりさん、さらに慌ててトイレットペーパーを巻き始めます。そう…、この時点で呪いの絵画はトイレットペーパーに変化しています!


 でもね…相当慌てていたのか、巻き終わりの方から一生懸命巻いているのです。巻き終わりから巻いているものだから、大元の芯がある方はくるくる回転しているんです。


 そして、だいぶ巻き込んだその時、かいりさんやっと…気付きます。


「これって、逆から巻いた方が早かったんじゃないかな…。でもここまできたら最後までやり抜くしかない…よね!」


 かなり前向きなかいりさんなのでした。


* * *


 こんなところで、目が覚めました。夢でよかった…。


 本当にオチも何もない夢のお話ですが、トイレットペーパーを巻き直すのってとっても大変。きっといろんな事が、めんどくさいなーって思た想いが見せた夢なのかもしれませんね。



END


*今回もオチのない夢物語でございました(/ω\)。でもね、コツコツ進めて行けばいつかどんなに嫌なことでも、どんなに無駄だな~って思ったことでも終わりがくる!そう思おうと思わされた夢なのでした。

*今夜もお付き合いいただき、ありがとうございました!(ぺこり)

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