都市伝説はやっぱり都市伝説なのだ。
「ねぇ~知ってる?全身麻酔から覚めた時、初めて口からでる言葉って…。その人の本質が分かる言葉なんだって。」
「そうなの?」
「うん。だから”愛してる”とか”殺してやる!”とか色々あるらしいよ。」
「へぇ~。」
同じ病院で手術経験がある
もうすぐ手術をする為に入院することになっている
「
去年同じように自分が経験してきたことを、面白おかしく伝授してくれます。すごく前向きで、
「私ね~、担当医の先生が大好きなの。先生だけが私の命を救ってくれる人なんだって思うだけで、本当に涙が出るくらい大好き。」
「そんなにカッコイイの?」
「そうだね~俳優さんに似てるの!ねぇ~見てみて♪」
「う~ん。わかんないや。」
「
何を?といいつつ、実際のところ
「で、
「ふふっ。先生大好き!って言っちゃった♥」
「えぇぇぇぇぇ~~~っ。」
「
「う~ん。確かに大好きになりつつあるけど…そこまでかな~?(笑)」
「後で何て言ったか教えてね。」
病院の楽しい穴場とか、仕事しているより肌が奇麗になるとか、先生と仲良くなる秘訣とか。楽しそうなことばかり教えてくれる。本当は辛くて痛くて悲しい事も沢山あったはずなのに。そんなことは一つも言わない。
「
入院直前の問診時、先生が入院手続きや手術の日程について説明をしてくれた。先生は、すごく奇麗な手をしていて産毛なんてものもなさそう。爪もぜんぜん伸びてなくてお手入れが行き届いてる。
「では、これを持って受付で詳細を確認しておいてください。何か質問はありますか?」
これで話は終わりって感じ。入院も手術も初めてなんだから分からないことが分からない。なにを質問していいかもわからず
「先生には、会えますか?」
先生はびっくりした顔をしている。
「会えるも何も、手術するのは僕ですし…。前日の検査も僕が担当します。会いたくなくても会えますよ。」
会える。その言葉がどれだけ患者を安心させるか。魔法の言葉だ。とその当時の
検診するのにおしゃれなんて必要ないハズなのに、やっぱり
『明日手術だね~。緊張してる?』
「うん…。緊張しちゃうよね。でもね~
『よかったよかった。麻酔から覚めたら~何て言ったのか教えてね。』
「もちろん!覚えていたらね。(笑)」
手術の前日も
明日の手術…。もし手術が終わって身体に管がついていたら、フルコースの治療になるって先生が言ってた。だから
『大丈夫だよ。頑張ってね。あ、頑張るのは先生だけどね。』
翌朝、朝一番の手術です。元気に歩いて手術室まで行くのです。そして自分で、よっこらしょって手術台にあがります。自分であがるとは…想定外。
手術台にあがってしまえば、ここからはプロセスに乗っかってあれよあれよという間に機械を接続され、点滴をセットされ…口元には麻酔用のマスクがあてがわれます。
「大丈夫ですよ~。大きく息をすってくださ~い。すって~。」
麻酔師さんが丁寧に教えてくれます。が…
そうこうしているうち、先生が手術室に入ってきました。
「
先生の姿と声を聞いて安心したのか、
どのくらい時間がたったのでしょう。
「
麻酔師さんの声が聞こえます。手術室の入り口に担架に乗せられ目覚めた
「今何時ですか?」
「今13:30です。けっこう長い時間かかりましたね。」
―― 目が覚めたの?私生きてる。もうお昼すぎてるのか…。
「お腹…すいた。」
「えっ?」
これが
ある意味恥ずかしいけど、都市伝説はやっぱり都市伝説なのだ。
END
*次回は…新しい夢を見たら、それをしっかり覚えていたら…綴っていきたいと思います☆最後まで読んでくれてありがとうございましたっ!
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