美味しいですか?
これは私が小学1年生、入学して間がない頃のお話です。
忘れたくても忘れられない瞬間。今思い出しても、何故あんなことをしちゃったのかわかりません。みなさんにもそんなことってありませんか~?
今回は、そんな恥ずかし~ぃお話です(笑)。
* * *
初々しいチビッ子
チビッ子
――美味しそうだな~。
チビッ子
だんだん筆箱がステーキに見えてきて、とうとう妄想が爆発します。
白い大きなお皿に焼き立てのステーキがサーブされています。すごくいい匂いがして、チビッ子
「いただきます。」
キュっ、キュっ。ギコギコ。
お肉にナイフを入れると、中から肉汁があふれ出してきます。あぁ~幸せのひと時。ステーキって大人が食べるもの。まさか自分が食べられる日が来るとは!めちゃくちゃ嬉しくて仕方がありません。
フォークでカットしたお肉を口に運びます。あ~お肉ぅ~。一口ぱくり。
「~♪」
う、うま~い。もぐもぐ。もぐもぐ。もう一切れお肉をカット!
キュっ、キュっ。ギコギコ。
もう一口。口にお肉を運び~…。あぁ…ぁ幸せ♥
「
「えっ?」
チビッ子
そう…今は授業中。
先生が声をかけた瞬間、現実に戻されたチビッ子
驚いて見つめる顔。ニヤニヤしている顔。何事が起きたかよくわからないけど振り向いている顔。顔。顔…。
気づくと右手にはプラスチック製の定規を。左手にはエンピツを握りしめ、その左手を口元に運んでいたのです。そしてさっきから”キュっ、キュっ。ギコギコ。”させていたのは…。
お気に入りの筆箱!
体の下から上へ血が逆流してくるのを感じます。顔が赤くなっていることも自覚できるくらいはっきりと頭に血液が集中してくるのです。
「あ…。えっと…。ごめんなさい。」
穴があったら入りたい、という気持ちを初めて経験した瞬間でした。
きっとこれは「食神」がなせる業。「食べちゃいなよ!」って声が聞こえたに違いありませんっ。
ステーキなんてテレビで見るもの。チビッ子
本当に食神はいるのかもしれません。
あ~~恥ずかしかったな~(/ω\)。
END
*次回は自分の声に驚いて目覚めちゃった夢のお話を。続きはNext storyで☆
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