食神がついている。

「君には食神がついている。食に関わる仕事をするといい。一生食べものには・・・・・・苦労しないよ。」

「それは良い事を言ってもらった!で…恋愛運は?恋愛運知りたいです!」


 20代前半のかいりさん。恋愛事情に敏感になっています。


「う~ん。20代で結婚すると、アナタ旦那を殺すよ。アナタ男性を信じれないでしょ?止めておきなさい。」

「えぇぇぇ('Д')」


 それは台湾にある超有名な占い師のお言葉。私が仕事で台湾に取材に言った時に立ち寄った占い師。胡散臭いオジサン。


 でも胸に手を当ててかんがえてみる。


 その頃の私は確かに男性不信症だったから、あながち間違ってはいない。いや不信というか人は自分を守るために嘘をつく生き物だ。と思っていた時期だから、複雑な思いでオジサンの話を聞いていました。


 今回は男性不信の話ではなくて、夢の話でもなくて食神の話。


* * *


「そろそろ混んで来たから、でましょうか。」


 おばあちゃんはそうみんなに提案します。


 ちょっと待ったーーーーっ。私はまだお蕎麦を食べてるの。まだこんなに残ってるの。お汁が熱くてちょっとづつ食べてるの。何を言ってるんだい!?


 母も父も頷いておばあちゃんの提案に乗っかります。


 あぁ~~~私のお蕎麦~っ 待って~~。小さな小さなかいりちゃん。後ろ髪をひかれる思いでじいちゃんに抱っこされてお店を後にします。


* * *


「あの時さ~、私とっても悲しかったんだよね。お蕎麦もっと食べたかったんだよ。このお店でしょ?」


 お墓参りの帰りに立ち寄った蕎麦屋で私は母に文句を言っています。


「えっ?覚えてるの?」

「うん。鮮明に覚えてるよ。もうさー本当に酷いはなしだよね。混んできたからって自分たちは食べ終わってても、まだ食べ終わってない人もいるんだからさ、ちょっとは考えてもいいんじゃない?」


 母は目を丸くしています。


「どうしたのよ。そんな顔して…。」

「よく覚えてるわね~。それあなたがまだ2歳ちょっとのころのことよ。」

「相当ショックだんじゃない?それか母さんの記憶違いとか。」

「みんなでお墓参りしたのは1度だけだもの。忘れるわけないじゃない。」


 これは私がまだ赤ちゃんとよばれる頃のお話。


 食神の話なのか、記憶力の話なのか…はたまた…男性不信の…ケプっ。



END


*次回は中高生あたりの青春真っただ中で見た夢のお話を。続きはNext storyで☆ 次もなんだそりゃ?って話になりそうですが…夢だからね。夢なの。現実じゃないのよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る