第19話 水中バレー
橋本は、夏の思い出作りのためにプールを使用することを考えた。しかし、学校のルールにより、プールの使用には担当の許可が必要であった。橋本は水泳部の顧問の島田先生に相談することにした。
俺は島田先生のデスクに行き、プールの使用許可をお願いした。島田先生は真剣に俺の話を聞いてくれた。
「島田先生、3年生のうちの生徒たちの夏の思い出を作りたいのです。プールの使用許可をいただけないでしょうか?」
俺は丁寧に頭を下げながら言った。別に断ってもらっても構わない。そのほうが俺の手間もなくなる。しかし、生徒のことを思えばプールは使わせてあげたい。矛盾しているように見えるが、俺はどっちに転がってもいいと考えている。プールの使用許可についてしいて言うなら、俺も水着を買わなければならないことだな。
島田先生は考え込んでいる様子だった。
「確かに夏の思い出作りは大切だが、安全面を考慮する必要がある。プールの使用にはルールがあるし、監督も必要だ。君に十分にそれを守れる自信があるか?」
俺は自信に満ちた表情で答えた。
「はい、島田先生。私自身も3年生の担任として責任を持ち、生徒たちにルールを徹底させます。また、十分な監督を確保して常に安全を意識して行動します」
島田先生はにやりと笑った。
「君の言葉には自信があるようだな。わかった、プールの使用許可を出そう。ただし、ルールを厳守し、安全に活動することを絶対条件とする。了解できるか?」
俺はまじめな顔で頷いた。
「はい、島田先生。必ずルールを守り、安全を徹底します。約束します」
島田先生はにっこりと笑い、プールの使用許可を書類に記入し、俺に手渡した。
「では、これで許可が下りたことになる。生徒たちの夏の思い出作りを応援していますから、しっかりと活動してくださいね」
俺は少しの嬉しさを胸に抱きながら、深く頭を下げた。
「ありがとうございます、島田先生! 必ず素晴らい夏の思い出を作ります!」
クラスの皆喜べ。お前たちの青春を後押しするかのように島田先生は許可してくれたぞ。これで正式に決まりだな。当日、俺のすることはスポーツの準備と監督ぐらいか。暑い中外にずっといるというのは楽じゃないな。そう考えながら俺は教室に戻った。
俺が島田先生から許可をもらったということを伝えるとクラスがうるさくなった。予想どうりの反応で少しうれしくなった。まぁほぼ男子の声だったが。水泳部に所属している生徒にとっては、代わり映えしないかもしれない。しかしそうではない生徒が大半なわけで、男子だけではなく女子も心なしか嬉しそうにしている。いいことをしたなと思った瞬間だった。
俺は島田先生からの許可を受けたことで、生徒たちの夏の思い出作りの貢献ができそうだ。当日、クラスの水泳部の部員たちは一生懸命に準備をし、プールに向かっていた。
俺は写真館の加賀さんを連れて、学校のプールまで来ていただいた。生徒たちの卒業アルバムの写真は今からとっておかないとな。プールに着くとストレッチを終えた生徒たちが迎えてくれた。ここで加賀さんの紹介しておくとするか。
「よし全員いるな。今日はお前たちの写真を撮ってくれる方をお連れした。今日お世話になる加賀さんだ。みんなからも挨拶してくれ」
そう紹介して”では加賀さんどうぞ”と加賀さんを生徒たちの前に誘導する。
「みなさん、初めまして加賀と申します。橋本先生からご紹介に合った通り、今日は皆さんのお写真を撮らせていただきます。どうぞよろしくお願いします」
とても丁寧な口調で話す加賀さん。それにこたえるように生徒たちも挨拶をする。
「「よろしくお願いします」」
最初は少し緊張というかいつもと違う感じがするかもしれないが、慣れれば問題ない。加賀さんが欲しい写真も、生徒たちがのびのびしている写真だろうからな。
夏休み前の思い出作りのプールで、俺は生徒たちと一緒に楽しい時間を過ごしていた。俺は、生徒たちとの関係を大切にしていた。プールサイドで生徒たちは水着に着替え、水に飛び込む喜びに満ちた笑顔を浮かべていた。
しかし、女子たちの水着に目を奪われてしまう男子生徒たちもいた。俺は彼らの興奮気味な様子に気づいていた。男子生徒たちは目を輝かせ、女子たちの水着姿をじっと見つめていた。うちのクラスは俺のひいき目なしでもレベルが高い。最近は女性の外見や容姿にについて何か言われる世の中だ。でも本当にレベルが高いのだから仕方ない。俺はその様子を微笑ましく思いながら、男子生徒たちの心理についてを考え込んだ。
一人の男子生徒、田中は顔を赤らめながら、内気な笑顔を浮かべていた。彼は普段は地味で目立たない存在だが、女子たちの水着姿に興奮して、自分自身に戸惑っていた。田中は女子たちに話しかける勇気も持てず、ただ見るだけの態度を取っていた。俺は田中の心情に共感し、思春期特有の複雑な感情を理解していた。
一方、もう一人の男子生徒、山田は大胆に女子たちの水着姿をチラ見しながら、ニヤニヤと笑っていた。彼は自己主張が強く、いつも自信にあふれているが、女子たちの水着姿に興奮して興奮を抑えきれず、テンションが高まっていた。俺は山田の興奮した様子を見て、彼が自分自身を女子たちにアピールしようとしていることに気づいていた。
そして、もう一人の男子生徒、鈴木は無邪気な笑顔で女子たちと一緒に遊びながら、彼女たちの水着姿に無関心だった。佐藤は女子たちと仲が良く、自然な形でコミュニケーションを楽しんでいた。さっすがイケメン。下心を感じさせない。他の連中とは違うな。
俺は男子生徒たちの興奮した様子に微笑みながら、自分自身の学生時代を思い出していた。
彼もかつては思春期の頃のことを思い出し、男子生徒たちの心情を理解していた。
しかし、同時に俺は大人の目線で、男子生徒たちの興奮が若さゆえの無邪気なものであることを理解していた。俺はそれを注意深く見守りながら、適切な指導をする責任を持っていた。俺自身も男性であり、女子たちの水着姿に興味を持つ気持ちは理解できるが、それを抑えて冷静に対応することを心掛けていた。じゃないと訴えられて首だからな。
また、俺は男子生徒たちに対して、女子たちを尊重し、彼女たちを見ることが単なる興味本位ではなく、異性としての尊重や人間関係を大切にすることを教えていた。彼は男子生徒たちに自分自身を客観的に見つめる視点を持つように促し、単なる興奮だけでなく、異性との関わりを深化させるチャンスでもあることを伝えていた。こうしないと、女子たちの嫌悪感を消せない。
そのため、俺の態度としては、男子生徒たちの興奮を認めながらも、適切な指導をするために冷静であることを心がけていた。俺は自分自身の経験を踏まえながら、男子生徒たちが健全な性的関心を持ちながらも、女子たちを尊重する態度を身につけられるようにサポートしていた。教師ってのはなかなかに面倒くさい。
俺は男子生徒たちの成長を願いながら、プールサイドでの思い出作りを見守り、水着姿に興奮する男子たちに対しても温かく、かつ適切な指導を行っていた。俺の人間的な魅力や教育者としての視点が、生徒たちに深い影響を与えることになるからだ。
俺はプールサイドで、生徒たちのスポーツ大会を見守っていた。俺は生徒たちが元気いっぱいにプールでのスポーツを楽しんでいる姿を見て、心から微笑んでいた。
スポーツ大会は水中バレーの競技が行われており、生徒たちはチームを組んで激しい戦いを繰り広げていた。俺はそれぞれの生徒の表情や動きを注視し、彼らの情熱や競争心を感じ取っていた。俺は生徒たちがスポーツを通じて協力し合い、チームワークを身につける機会を持つことを大切に考えていた。
また、自由参加のスポーツ大会であるため、中には参加しない生徒もいた。俺はそんな生徒たちの表情や態度にも目を配り、個々の生徒の性格や特徴を理解していた。彼は誰もが自分のペースで楽しむことができるように、無理をさせずに適切なサポートを提供することを心がけていた。
さらに、プールの3分の1をフリースペースにしていたため、生徒たちは自由にプールで遊んだり、日光浴を楽しんだりしていた。俺は生徒たちがリラックスして過ごせるよう、気さくに声をかけながら、彼らとのコミュニケーションを大切にしていた。彼は生徒たちとの信頼関係を築きながら、思い出に残る夏休み前の一日を作り上げようとしていた。
太陽は高く輝き、熱い夏の日差しの中、生徒たちは元気いっぱいにプールでの活動を楽しんでいた。俺は監督として、生徒たちの泳ぎを見守りながら、時にはアドバイスを送った。
俺はプールサイドに立ち、生徒たちの水中バレーボールの試合を見守っていました。プールの中では、生徒たちが水中での特殊なルールに従って、ボールを打ち合い、パスし合いながら、迫力あるプレーが繰り広げられていた。そのとき、加賀さんを呼ぶ声がした。
「加賀さん、バッチリ写真撮ってくださいよ」
「いやお前だけ活躍させない。俺が活躍する写真撮ってくれ加賀さん」
「は~い、分かりました」
加賀さんひっぱりだこだな。さっきまで普通に写真を撮っていた加賀さんだったが、いつの間にか生徒たちと仲良くなってる。まあこれからもお世話になるのだからいいことかもしれない。
田中がボールを持ち、水中を力強く蹴って浮上し、高くジャンプしてサーブを放つ。しかし、山田がしっかりとレシーブして、鈴木が素早い動きでセッティングを行う。須賀がスパイクを放ち決める。生徒たちは息を切らし、相手を見計らいながら、水中でのプレーを続けている。
池田がボールを持ち、相手陣に向かってサーブをする。サーブボールは空を駆け抜け、須賀がブロックしようと飛び込むが、池田は巧みにボールを避け、サービスエースを決める。水中での制約を乗り越えながら、生徒たちは連携を図りながらプレーを展開している。
藤井がサーブを決め、ボールが相手陣に飛び込む。相手チームも迅速にレシーブし、木村がセッティングをして、鈴木が見事なスパイクを決める。両チームが激しい接戦を繰り広げている。
俺はというと時折、生徒たちに声をかけながら、彼らのプレーを見守っていた。
生徒たちは息を切らしながら、ボールを追いかけ、スパイクやレシーブ、セッティングを繰り返している。時にはプールの壁を利用して、戦術を組み立てるなど、水中ならではの戦いが展開されている。
試合は盛り上がりを増し、生徒たちは一生懸命のプレーをしている。参加していない生徒もプールサイドで熱心に応援している。
最後はイケメン鈴木の見事なスパイクによって、試合が決着した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます