第18話 水着選び

 私、高梨美咲は、クラスの夏の思い出づくりが正式にプールで遊ぶことになったので、急遽亜美と冷房の効いた大型ショッピングモールに出かけた。亜美は佐藤先生のクラスなので必要ないのだが、亜美も水着が欲しかったみたいで一緒に来ていた。外の暑さから一転して涼しい空間に入ると、ショッピングモール内には「サマーセール」の旗や夏をテーマにしたディスプレイがあちこちに飾られていた。


 私たちは夏の水着を物色し始めた。亜美は明るい色合いの水着を見ると目を輝かせて笑い、私はデザインの異なるさまざまな水着を手に取りながら、自分に似合うかどうかを考えていた。


「これかわいい! でも、サイズが合わないかも……」


 と私が一つの水着を手に取ると、亜美は笑顔で近寄ってきて、私の肩を叩いた。


「大丈夫、美咲。とりあえず試着してみようよ!」


 と亜美が励ましてくれた。


 私は恥ずかしさを感じながらも、亜美の言葉に励まされて試着室に入った。鏡の前で水着を着ると、自分自身を客観的に見つめることになり、自分の体型や自信のなさに戸惑いを感じた。


「うーん、どうかな……」


 と不安そうに呟くと、亜美が試着室の前で待っていてくれた。


「美咲、また胸が大きくなった?」


 と亜美がにやりと笑ってからかってくるので、私は顔を赤くして反論した。


「そ、そんなことないよ!」


「でも、その水着、胸の谷間がすごくセクシーだよ!」


 亜美がにやにやしながら言うので、ますます顔が赤くなった。


「そ、そんなことないってば!」


 私は恥ずかしさを隠そうとして、手で胸を隠しながら亜美を睨みました。


「なら次にこの水着も着て見てよ。こっちもきっと似合うよ」


 と亜美がすすめてきた。私は流されるように試着室に行き、また新しい水着を試着する。


「ねえ、この水着どうかな?」


 と私が亜美に聞くと、亜美は目を輝かせて頷いた。


「すごく似合ってるよ! それにこの水着の色は美咲の雰囲気に似合ってるよ!」


 と亜美が褒めてくれた。

 亜美の言葉に背中を押され、私は自分を鼓舞し、自信を持って水着を着た。すると、鏡に映る自分に、新しい水着が似合っていることに気付き、少し照れくささを感じながらも微笑んでしまった。

 私は亜美の言葉に嬉しさを感じ、自分自身に自信を持つことの大切さを再認識した。亜美と一緒に選んだ水着を手に取り、レジに向かおうとした。そこでふっと視線を変えると見覚えのある人がいた。亜美のクラスの先生である、佐藤先生だった。先生もまさか水着を? 佐藤先生は、サマーセールの水着コーナーで、可愛らしい水着を手に取りながらにっこり笑っていた。先生は亜美と私に気付くと、少し驚いた様子で近づいてきた。


「あれ、美咲ちゃん、亜美ちゃん? こんにちは! 水着選びですか?」


 佐藤先生の明るい声に、私たちは驚いたが、先生の元気な様子につられて笑顔になった。


「はい、先生。美咲のクラスは夏の思い出づくりにプールで遊ぶことになったらしいので、水着を探しています!」


 亜美が答えると、佐藤先生は一瞬だけ戸惑いを見せたが、すぐににやりと笑って、水着を手に持ちながら私たちにアドバイスした。


「それは楽しそう! 水着って選ぶのも楽しいですよね。私もちょっと欲しくなっちゃいました」


 佐藤先生の言葉に私たちは笑った。先生のかわいい一面に、何だかほっこりした。


「ねえ、先生、この水着、似合うかな?」


 と亜美が先生に尋ねると、佐藤先生は真剣な表情で私たちを見て考え込んだ。


「うーん、亜美ちゃんは明るい色合いの水着が似合いそうだけど、美咲ちゃんは少し大人っぽいデザインが似合いそうかな」


 佐藤先生のアドバイスに私たちはうなずいた。確かに亜美には明るい色合いの水着が似合いそうだ。どうやら私には大人っぽいデザインが似合うそうだ。


「あの佐藤先生、先生も水着を買うんですか?」


 私が尋ねると、佐藤先生はにやりと笑って、恥ずかしそうに頷いた。


「はい、実は私も夏に沖縄に行く予定があって、水着を探していたんです」


 佐藤先生の素直な答えに私たちは笑った。先生も普段の姿とは違った一面を見せてくれて、なんだか親近感が湧いた。


「ほら、先生も試着してみてください! きっと似合いますよ!」


 亜美が先生に勧めると、佐藤先生はにやりと笑って、了承してくれた。


「そうですね、じゃあ試着してみますね」


 佐藤先生はにっこり笑って、試着室に入っていった。私たちはワクワクしながら先生の試着を待った。


 しばらくして、佐藤先生が試着室から出てきた。先生は淡い青のフリル付きのビキニを着用していて、とても可愛らしかった。スタイルがいいなと思っていたが、まさかここまでだとは正直思わなかった。


「どうかな? 似合っていますか?」


 佐藤先生が恥ずかしそうに尋ねると、私たちは一斉に拍手をした。


「めちゃくちゃ似合ってます! 可愛いです、先生!」


 亜美が大興奮で言った。私も同じくして笑った。この自慢のスタイルで水着を着て、橋本先生に見せつけるんですね。分かります分かります。


 佐藤先生はニコニコと笑って、自分自身を見ながら満足そうに頷いた。


「ありがとう、2人とも。じゃあ、これに決定ですね!」


 佐藤先生は嬉しそうに言って、その水着をレジに持っていった。私たちも一緒にレジで水着を購入した。


 レジで商品を支払いながら、亜美と私は満足げな笑顔を浮かべていた。水着を手に入れたことで、プールや夏休みの海での楽しい時間を想像し、ワクワクしていた。


 その後、私たちは佐藤先生と別れショッピングモールをさらに探索し、夏にぴったりのアクセサリーやサンダルなどの小物も見つけた。亜美はカラフルでポップなアイテムに目を輝かせ、私はシンプルでナチュラルなアイテムを選んでいた。


 ショッピングを楽しむ中で、私たちはお互いの好みや趣味を再確認し、一緒に過ごす時間を楽しんでいた。亜美の明るい性格と元気な笑顔に、私も心が和んでいた。


 最後に、私たちはショッピングモール内のカフェで休憩することにした。冷たいフルーツジュースを飲みながら、亜美との会話が弾み、笑い声が絶えなかった。


 時間が経つのを忘れて楽しいひとときを過ごした後、私たちは満足そうにショッピングモールを後にした。手に入れた水着や小物たちを持って、満足げな表情で帰路についた。


 ショッピングモールでの一日は、亜美との素敵な思い出として私の心に残り、夏の楽しい思い出を作ることができたことに満足していた。亜美と一緒に過ごした時間は私にとって貴重なものであり、友情の深さを再確認することができた。

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