七 旭日への応援コメント
自主企画は既に終了していますが、企画から参りました。
まず、この時代の中国に関しての知識は全くないので、少々調べてみました。
西晋の皇帝(懐帝)が洛陽から長安へと逃れようとした時に捕まり、捕虜となって平陽に連行された。
この辺の史実に基づいて書かれているのですね。
私はこういったジャンルの小説を読まないので、聞き慣れない単語や宦官の行為などが新鮮に感じられましたし、史実はどうだったのだろうかと調べたりするのも楽しかったです。
歴史物の楽しみとは、単に物語を楽しむだけでなくて、時代背景とか史実ではどうだったかとかを調べることも含まれているんだなと思いました。
方角については私も全然わかっていないのですが、こういうマイナーな時代や登場人物をエンタメ方向へ向けるのは難しいのではないかと思いました。予備知識が必要なんですよ。
そんな理由で、もう少し西向きな北西ではないかと思いました。
作者からの返信
感想ありがとうございます!
>まず、この時代の中国に関しての知識は全くないので、少々調べてみました。
>西晋の皇帝(懐帝)が洛陽から長安へと逃れようとした時に捕まり、捕虜となって平陽に連行された。
>この辺の史実に基づいて書かれているのですね。
はい、おっしゃる通りです。お調べになられた由、恐縮ですがとても嬉しく思います。
知名度がない上に錯綜した時代で、プラス小説本編であえてほとんど固有名詞をつかわない書き方をしているので、調べるのも手間がかかったのではないかと想像します。調べ物をする手間をかけて本作を読了いただいたこと、まずはお礼申し上げます。
>私はこういったジャンルの小説を読まないので、聞き慣れない単語や宦官の行為などが新鮮に感じられましたし、史実はどうだったのだろうかと調べたりするのも楽しかったです。
嬉しいお言葉ありがとうございます。
歴史物だからこそできる語彙のチョイス、および人物の動機と言動を書きたかった作品なので、魅力に感じてくださってとても嬉しいです。
史実を調べるのも楽しかったとのことで、安堵しました。
>歴史物の楽しみとは、単に物語を楽しむだけでなくて、時代背景とか史実ではどうだったかとかを調べることも含まれているんだなと思いました。
すでに歴史物の楽しみ方を会得されていて感動しました。
さらなる応用的楽しみ方としては、時代背景と史実(ひとつとは限らない)を踏まえた上で、同じ時代やできごとを扱った、ちがう歴史物作品にふれてみる、という方法もあります。「今年の大河ドラマでは本能寺の変をどう解釈し演出するかな?」みたいな鑑賞方法ですね。
>方角については私も全然わかっていないのですが、こういうマイナーな時代や登場人物をエンタメ方向へ向けるのは難しいのではないかと思いました。予備知識が必要なんですよ。
>そんな理由で、もう少し西向きな北西ではないかと思いました。
マイナーな時代や登場人物をあつかうとエンタメ(真北)へ向けるのは難しい、というのは私もそうだと思います。
メジャーな戦国時代や三国志以外の時代をあつかわないと真北(のさらに中心線)から離れていく、とイメージしています。
真北(のさらに中心線)から離れた上で西に寄るか東に寄るか、寄るとしたら真北の方角から出て北北西or北北東となるのか、またはさらに西or東の方角に寄っていくかは、マイナーな時代や登場人物という題材で決まるのではなく、作品全体から総合的に決まるのでは、と今の私は考えています。
ということを踏まえて考えると、本作は西向きの題材やテーマを採用しつつ、真北的技術を用いて総合的に北へ寄せた作品だと私は考えていました。
たぶんここについては暗黒星雲さんも(西に寄った西北西や西ではなく)北と西のちょうど真ん中である北西だと判断されたので、同意見なのではと妄想しています。
ではなぜ北北西と北西という方角のずれがあるのか考えてみると、私はすでにこのマイナーな時代や登場人物を知っているかつ愛好しているので、北に向ける前のこの作品のそもそもの方角をかなり北寄りに考えていたのでは、と思いました。
逆に暗黒星雲さんは知らないマイナーな時代や登場人物ですので、この作品のそもそもの方角をかなり西寄りだと感じられたのではないかなと。
暗黒星雲さんのように歴史的知識のない方にも北北西と感じてもらうためには、真北的技術を用いて総合的に北へ寄せる、北向かせ力(きたむかせぢから)をもう少しいれてもいいのかなと考えました。
私はこの作品を真北狙いではなく北北西狙いで書いたので、北向かせ力の出力を全開にはせず、かなり調整しました。その結果が北北西と北西のずれなのかもしれません。
長々失礼しました。もともとこの時代・人物に興味がある方以外に読んでいただくことは珍しいので、貴重なコメントとても嬉しく拝読しました。ありがとうございました!
七 旭日への応援コメント
自主企画から拝読しました。
中国史は学校で習ったのですがよく覚えておらず、作品内に「胡」が出てきた時に五胡十六国時代の話かなと思い、読了後に軽く調べたところ合っているようですので安心しました。
調べる前でも、この時代の中国皇帝が外敵から脅かされている状況はわかりましたし、文章も硬めではありますがルビが振られていて、物語の流れが分からなくなることはありませんでした。
むしろ中国史に詳しくないからこそ、皇帝たちが無事に逃げられるのか気になり、物語に引き込まれました。
宦官の最期が切ないですね……。作品タイトルの「伸手」は宦官と仏図澄の手、どちらも指しているということでしょうか。
こういった歴史小説がどの方角に入るのか、なかなか難しいですが、私は北北西だと感じました。
作者からの返信
感想ありがとうございます!
>中国史は学校で習ったのですがよく覚えておらず、作品内に「胡」が出てきた時に五胡十六国時代の話かなと思い、読了後に軽く調べたところ合っているようですので安心しました。
この時代を布教したいという気持ちもあって創作しているので、調べていただいてとてもうれしいです。ありがとうございます。
おっしゃるとおり、五胡十六国時代がはじまった永嘉の乱(307~312)が舞台です。
>調べる前でも、この時代の中国皇帝が外敵から脅かされている状況はわかりましたし、
よ、よかった……。
ほとんど知名度がない時代なので、読者のかたはまったく知識がないことを前提に気をつけて書いているのですが、毎回大丈夫かどうか自信がありません。ですのでとても安心しました。
>文章も硬めではありますがルビが振られていて、物語の流れが分からなくなることはありませんでした。
よ、よかった……(2回目)。
今回のように極端な文体で書くときは特にそうですが、ルビを振る漢字の選定ふくめ「やりすぎたか? いや大丈夫か。……もうちょっといけるか?」と調味料をたしたり薄くしたり、味見しながらいい塩梅を模索しているような状態なので、安心しました。
>むしろ中国史に詳しくないからこそ、皇帝たちが無事に逃げられるのか気になり、物語に引き込まれました。
楽しんでいただけてうれしいです! 私もあまりくわしくない時代の歴史物を読むときは「ネタバレがいやだから、読み終わるまで歴史は調べないでおこう」となります。歴史を知る前のどきどき感は一度きりなので、楽しんでいただけたならうれしいです。
>宦官の最期が切ないですね……。作品タイトルの「伸手」は宦官と仏図澄の手、どちらも指しているということでしょうか。
はい。宦官の手であり、仏図澄の手であり、あと実は最初の「一 残日」で伸ばされた帝の手でもありました。
>こういった歴史小説がどの方角に入るのか、なかなか難しいですが、私は北北西だと感じました。
方角測定ありがとうございます。
たぶん泡沫さんはふだん歴史小説はあまり読まれないかたで、今回の「伸手」みたいなバリバリの歴史小説はちょっと面食らったんじゃないかと想像しています。
歴史小説ふくめジャンルごとの特有の雰囲気はやっぱりありますから、あまり親しんでいないジャンルの小説はまずそのジャンル特有の雰囲気に目がいって、方角測定はじめ作品単体に注目して考えるのは難しい、という感覚わかります。私も結構読むジャンルにはかたよりがあるので。
その上で作品を考察していただいたこと、本当にうれしいです。
ありがとうございました!