マイソシア・クロニクル『封心炎儀』

星宮白兎

ひとたび、見上げてみれば。

 この世界の空は、素晴らしいと思う。

 深い海から眺めたような蒼い空の時もあれば、

 燦然と輝く陽に焦がされて。

 凍てつく涙をながすような黒い空の時もあれば、

 妖しく輝く月に照らされて。

 自然が織りなす、唯一無二の模様だと。

 よもや、それが。

 誰かが創り出したものだとは、誰もが思わないことだろう。

 今日もまた、雲ひとつない青空が広がる。

 変わらない、完璧な空だ。

        ──『アルマの手記・今日の空模様』より

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