乙女の恋愛事情!王子様は変人⭐なのだ!
桔梗 浬
プロローグ
チュンチュン……。チュンチュン。
「う~ん。すごく良い天気!」
久しぶりに爽やかな空気とゆったりとした時間を、
木陰にお気に入りのラグを敷き、ゆったりとアフタヌーンティーを楽しんでいる。青空と芝生、英国貴族が集うおしゃれな庭に
「う~ん。このダージリンティーは最高に美味しい! それにサンドウィッチも。外で食べる食事って本当に美味しいわね」
「そうですね。
「あぁ~、私の運命の人はどこにいるのかしら?」
「
「そうかしら?」
「ほら、噂をすれば」
一人の女性が指さした方向を見ると、遠くの方から白い馬に乗った人物が こちらに来るのが見えた。そして、 その人物を乗せた白馬が
―― えっ? 何々? 私? これは!? とうとう来たわ! この瞬間っ!!
「
「えっ? えっ? あなたは誰?」
白馬に乗った人物は名前も名乗らず、さぁと言って
差し出された手には白い手袋がはめられているので、どこかの貴族に違いないとは思う。
―― どうしよう……この人が私の運命の人? 白馬の王子様?
うん? ちょっと待って。令和の時代にこのへんちくりんな服は? なんだか青と黄色地のカボチャっぽいパンツを履いてる……?
えっと……こんなにダサい服を平気で着ていられる人とずーっと一緒に過ごせるかしら? なんて
―― とりあえず、顔を。顔で決めることでもないけど、やっぱり目覚めた時隣にいるって考えると、顔って大事なのよ。
白馬に乗っているけれど王子様ではない可能性。騙されてはいけないのだ。
白馬の王子らしき人物をよく見ようと、
「あ、あれ?」
ぐるんぐるん。急に眩暈を感じる
―― あ、落ちる!
ドカッ。
「痛ったたたたたっ」
「もぉー、何なのよぉ~。良い所だったのに!」
もう一度頭の中で夢の内容を再生してみる。でもどんなに思い出そうとしても、白馬の王子様の顔は思い出せないのだ。思い出せるのは、白いタイツにカボチャパンツ……。
ブルブルっ。と
「はぁ……、白馬の王子様か~。いるわけないか」
こうして大きな溜め息と共に、
※ ※ ※
彼氏いない歴2年と2か月。
今まさに、白馬に乗った王子様を待ち焦がれる乙女代表なのである。
今日から新社会人!
運命の人はすぐそこにいる!
……かもしれない。
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