第33話 芥川賞にAIが使われた件は、マルか、バツか?
芥川賞受賞者が『5%くらいはAIで生成した文章を利用した』というような発言をしたそうです。
私はダメだと思いました。
特に審査員ですね。バカかと。
私はAIを活用して小説を書くのに賛成ですし、将来的にはAI使いの小説が増えると考えています。
ですが、人間が書く文学賞とAIが書く文学賞は分けて欲しいと思います。
この一連のエッセイで書かせて頂いている通りAIは色々な可能性があり、執筆に活用していくことは良いことです。
しかし、芥川賞で、それやって良いの?
(^^;
これまでの芥川賞の選評を思い出すと、受賞作の『表現』や『文章』について言及、評価されていたことが何回かありました。
審査員が評価したポイントがAIが生成した文章だった場合、AIを評価するべきだと思うのです。
もちろんAIに適切な指示を与え文章を出力させたのは作者さんですが、文章自体を考えたわけではありません。
文章を考えてPCやスマホで原稿を書く、つまりITツールを使って小説を書くのとは一線を画すと思うのです。
このあたりの基準を今回の芥川賞の審査員は、どうお考えになったのでしょうか?
まさか……、
『PCで小説を書く時代だから、次はAIで小説を書く時代になるだろう。だから、芥川賞にAIが入ってもOK!』
みたいな考えじゃないでしょうね?
AIはこれまでのITツールとは一線を画します。
ワープロソフトは、原稿と万年筆の代用と考えて差し障りないと思いますが、AIは違います。
AIは自ら『既存の人間作家が書いた文章』を学習し出力します。
芥川賞は『既存の人間作家側』『学習される側』を輩出する賞だと思っていましたが、AIを取り込むとは非常に残念です。
だって、五%ってかなりの量ですよ。
例えば、我々Web小説のコンテストだと十万文字が規定文字数になることが多いです。
十万文字の五%は、五千文字。四百字詰め原稿用紙で十二.五枚分です。結構な分量です。
悪質な方向性で考えれば、AIに毎日短編を出力させて、毎日Web小説のコンテストに応募するなんてことも可能です。
AIは試行回数をいくらでも重ねられ一瞬で出来るのが強みです。
出来の良い作品が出るまで、指示を変えながらクリックし続ける方法をとれます。
この方法をコンテスト応募者が取ると、コンテストの運営側がパンクします。
作品数が増えすぎて人間による下読みや選考が物量的に不可能になります。
今回の芥川賞受賞は、そんな未来にリーチしてしまった印象を受けました。
各出版社、各コンテスト、各文学賞で、AIの扱い、使用を許可する範囲(調べ物のAI利用はOK、ブレストはAI利用OK、タイトルへのAI利用はOK、あらすじのAI利用はOK、本文のAI利用はOK)を決めていただきたいです。
みなさんは、どう思われましたか?
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では、また!
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