悪役令嬢は前世を思い出したので未来で自分を処刑するはずの皇太子を殺そうと思います~私って皇太子に殺されるのね、ならば殺(や)らる前に殺(や)ればいいじゃない?~

ちーずけーき

プロローグ 全てを思い出した

10歳の公爵令嬢レイシアはこの日全てを思い出した。


自分の前世が日本人のアラサー女子だったこと。

この世界が前世でやっていた乙女ゲーム『七色の光』の世界だと言うことを。

そして自分が悪役令嬢だと言うことも理解した。


(この金髪に青色の瞳、そして整った顔立ちは『七色の光』の悪役令嬢ね。これが転生と言うものなのかしら?前世でも多分私死んだのよね。『七色の光』では悪役令嬢はどのルートに言っても『死』しか無いのよね...でも一番悪役令嬢に関与して必ずトドメを刺すのは皇太子ディクロ。そうだわ、皇太子を殺せばいいじゃない。確か悪役令嬢はこの国の重鎮の四大公の一つクラウス公爵の令嬢だわ。だから他の三つの公爵家を味方につけて謀反を起こせばいいのよ!だって私はまだ10歳、断罪されるのは17、でもまずは忘れる前に攻略対象の情報を書かなければ。)


レイシアは自室の机から紙とペンを取り出し名前を書いて言った。


『攻略対象


〇皇太子 ディクロ・メルエ・クレリエ(討伐対象)


〇宰相兼ゼシニア公爵 ミハイル・ル・ゼシニア


〇近衛騎士団長兼クレイア公爵 クロード・ミラ・クレイア


〇魔竜王 ルシアン・サリエ・ディラルレイド


〇暗殺者ギルドのリーダー兼敗戦国の元王子 ルーファス・ディア・ライリ 


〇悪役令嬢兼公爵令嬢 レイシア・ド・クラウス


〇ヒロイン ミレア

                      』



レイシアはディクロの名前をペンで塗りつぶした。


(待っていなさい、皇太子何てポイポイと捨ててやりますわ)

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