第295話 頭の整理



「クラリスと結婚です。これは女神命令です」


いやいや…。

肝心のクラリス本人の気持ちは…聞くまでもないのか。


でも、セレナやシェリル、一応フィリア王女にも確認しないと!!


「そんなの関係ねぇ…って訳にはいかないと思うので、フィデールに着いたらセレナさんとシェリルさん、フィリア王女とクラリスを連れて教会に来て下さい。私から全てを伝えましょう」


そうしてもらえると助かるんだけど…本当にエルピスに任せて大丈夫?


「どういうことですか?」


余計なこと言わないよなって…。


「大丈夫ですよ…たぶん」


…。


「気持ちが高ぶってしまったら分かりませんが…」


おいおい、不安しかねえじゃねぇか!!


「ふふふ笑 シーマくんはドンッと構えてて下さい!!」


それが出来たら苦労しないよ…。


「当日をお楽しみに!! それでは今日はこの辺で…」




目を開けると現実に戻っていた。


ふぅー。

ため息しか出て来ないな…。


とりあえず、頭を整理しないと…。

何をしなければならないのか、何をしなくてもよくなったのかを確認だ。


⚫エピリシアにおける聖女絡みの件は全て、エルピスが何とかしてくれる。

・アンナさんへの手紙は要らなくなった

・クラリスの自殺偽装も必要なし

・当然杖も必要ない

・デマを流す理由も無くなった

・俺たちがフィデールに着いたらお告げが出る


⚫クラリスとの結婚についてもエルピスに任せる

・嫁ズと王聖女と一緒に、フィデールの教会に行けばいい


と、まぁこんなところかな。

とりあえずはフィデールに行かないといけないか…。


俺たちは教会を出て、クリスさん達と合流した。

せっかく買ってきてくれた杖については必要なくなってしまったが、何かに使えるかもしれないので取っておくことにしよう。


そして、早速ロダーレの街を出発した。




出発したらすぐに、クラリスの件(結婚以外のこと)をみんなに話した。



「エルピス様がお告げしてくれるんだったらそれでいいとは思うけど、エピリシアは大変なことになるわね…。フィデールに着いたらお父様に手紙を出すことにするわ」



俺も準男爵とはいえ、国に対する対応についてはよくわからないからな。こういう時、フィリア王女がいると判断する上で助かるんだよなー。



「シェリル、フィデールに着いたらロナルドさんに会うよりも先に、そっちを済ませたほうがいいかな?」


「そうだね。教会が先のほうがいいかな。その後なら会長に事情を話せるもんね。どうせなら、フィリアの手紙もウチの商会で王城へ届けようか?」


「フィリア王女はどう思う?」


「それでもいいんじゃないかしら。ルート商会の覚えも良くなるしね。そういうことでしょ、シェリル?」


「エヘヘ、バレたか笑」



堂々とした王女の振る舞いに、商魂たくましい商人…本当に心強い仲間(嫁もいるけど)たちだな。





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