第279話 これから
「クラリス、セレナから聞いたよ。リンダさん治って良かったね」
「ありがとう、シェリル」
「元とは言え、さすがは聖女様よね」
「…フィリア、それは褒めてるの?」
「当たり前じゃないの。でも、まだシーマさんの嫁には早いと思うわ」
「何でよ? フィリア、私はあなたみたいに結婚に対して障害があるわけじゃないのよ。何も問題ないじゃない。今回のことでシーマさんの魔力との相性がいいこともわかったし、たぶんカラダの相性も…うふふ❤」
「ぐぬぬー」
まぁ、リンダさんのことがあって女性陣はクラリスのことを改めて認めてはいるようだが、相変わらずの平常運転のようだ。
「それで、シーマ。これからどうするの?」
セレナが俺に聞いてきた。
俺たちが南風に来た理由である、1つの問題が解決されたんだ。気になるのもわかる。
「みんなには悪いけど、もう少し『南風』に居たいな。料理のことでロビンさんに教えてもらいたいことがあるんだ。シェリル、あと2日くらいサザンベールに残っても問題ないよな?」
「シェスターのおかげで少し早く着いたからね。あと2日くらいなら大丈夫だと思うよ。でも、もっとココに居たいんだったら会長にサザンベールに来るように言おうか?」
「いや、もっとココに居たいのはそうなんだけど、クラリスのこともあるから長居し過ぎてもいけないような気がしてるんだ。また来たくなったらまた来ればいいだけだしな」
「それもそうだね。わかった。それじゃ…明後日の朝には出発できるようにして」
「よし、それで行こう」
クリスさんはノエルさんとイースさんを連れて街へ出てるからな。あとで伝えることにしよう。
「ねぇみんな、これからの予定も決まったことだしちょっと街へ出掛けない?」
セレナが待ちわびたように口を開いた。
「いいねー」
「たまには街の中をゆっくり見たいわね」
シェリルもフィリア王女も賛成のようだ。俺としてもエピリシア教国に来てからというもの、クローツでは少し買い物が出来たがエルブライトとグレイスに至っては入ってもすぐに出てきちゃってるから、ゆっくりと市場を回りたい。サザンベールは港町だから魚類にも期待してるんだよな…。
「よし。そうと決まれば早速出掛けるとするか!!」
「「「やったー!!」」」
俺たちはロビンさんに声をかけて『南風』を出た。
クラリスに何も言わずに出て行く形になってしまったが、彼女を連れて行くわけにはいかないので仕方のないことだろう。そして、それは彼女も理解してくれるって思っている。
もう大事な仲間だしな。
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