第244話 主従会議(会話のみ)
「フィリア王女、さすがに先程のはやり過ぎではないでしょうか」
「あれくらいがちょうどいいのよ、イース。そうでもしないと意識してくれないのよ?」
「確かにそうかもしれませんが、ちょっとあからさま過ぎたのではないかと」
「うーん…。出来ればもう少し近づいてキスしたりしちゃったら…」
「フィリア王女、妄想はそこまでにしておいて下さい」
「そんなことないわよ。あともう一息のような気がしてるんだけどなー」
「それも妄想なのでは?」
「馬鹿ね。既成事実さえ作ってしまえば、後はこっちのものなのよ。ぐふふ…」
「その言葉だけを聞いていると、とても王女様のものとは思えませんね苦笑」
「私も王女である前に1人の女性ですので。手に入れたい幸せは、全力で取りに行くの」
「何でしょう…。言ってることはかっこいいのに、やってることは汚いというこの残念感は…苦笑」
「まぁ、何とでも言いなさい。結果を出して見せるから!!」
「アルテ様も仰ってましたが、フィリア王女はディオランサの3人に出会って本当に変わられましたね」
「そうね…。一緒にいてもすごく楽しいし安心もするの。同じ年頃ってこともあるけど、それだけじゃない何かがある気がするわね。でもね…」
「?」
「私は守ってもらうばかりの現状にモヤモヤしてるの。私も戦ったほうがいいんじゃないかって思ったりもして…」
「それは違うんじゃないですか?」
「えっ?!」
「フィリア王女は既に違うところで戦ってるじゃないですか」
「?」
「後ろ盾として、ディオランサを利用しようとする者たちから彼らを守っております。それも十分な戦力だと思いますよ」
「そうか…そうなのかな?」
「はい。間違いありません」
「ちょっとモヤモヤが晴れたような気がするわ。ありがとう、イース」
「いえいえ、どういたしまして」
「それはそうとイース、あなたも今回ばかりは楽しそうね?」
「えっ?!」
「私が気付いてないとでも思ったの? あんなに楽しそうに剣を振るあなたを見たことがなかったわ」
「そ、それは訓練ですので…」
「それはどうかしらね。もしかしたら、あなたは本当の意味で『護りたい人』に出会えたかもしれないわね。ふふふっ」
「そ、そんなことは…」
「今はそれでいいのよ。でもね、あなたのことだからそのうち勝手に身体が反応することになるわ。その時に改めて思い知ることになるの。自分の本当の気持ちにね」
「はぁ…」
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