第227話 聖女の杖
「いつでも下野する準備はしておきますので」
もう下野ありきの話になってるやん。
誰か止めてくれる人はいないのかな…。
創造神とか…
「ストーーーーーーーップ!!」
…。
「も、もちろん今はまだこのままですが、下の世界で何かあったら私が下野してもしょうがないですよね?」
何かあったらね。
でも、エルピスはその何かを望んでるようにしか見えないんだよねー。
「き、気のせいですよ。うふふ」
まぁ、それならいいけど。
また聖女のことで何か分かったら教えてね。
「わかりましたっ」
それじゃ、シータ帰るぞ。
「シータ? ちゃんとシーマくんを守るのよ?」
『まっかせなさーい。あたしだってシーマの魔力がないとまた干からびちゃうもん、あたしためにも全力でシーマを守るよ。
あのねエルピス、シーマの魔力ヤバいんだよー。挿入してもらってる時、スゴく気持ちいいんだー』
挿入って、そんなイヤラシく言わんでも…。
勘違いされそうじゃん。
「あっそ。別にいいもん。下野したらあんなことやこんなことをいっぱいしてもらうもん」
やっぱり…。
あっ、そうだ。
シータで思い出した!!
シータはアルテナさん?が創った、地上では神の声って言われているものなんだろうけど、エルピスが創ったものはあるの?
「はい。聖女だけが使うことのできる杖があります。シータと違って物静かな性格なので、名前とかは無くて…『聖女の杖』としか呼ばれてません」
ふーん。
やっぱりエルピスにも子供がいるのか。
「いや、アレは私の子供だけど子供ではありません!!
本当の私の子供は下野してシーマくんと結ばれてから…うふふ♥」
ダメだこりゃ。
反論してもしょうがない。
帰ろ。
エルピス、またね。
『バイバーイ!!』
「え?は、はい。シーマくんまた会いましょう…」
ふぅ。
あれ?
シータはアイテムボックスに戻ったのか。
結局、聖女に関することは何もわからなかったな。
神の声同士で繋がることって出来ないのかな? お互いを認識出来たりしたら聖女を楽に探せるよな。
早速シータを引っ張り出して聞いてみよう。
『また魔力くれるのー?』
まぁそれでもいいけど。
っていうか、魔力あげながらじゃないと、俺の意思を伝えられないからな。必然的にシータとおしゃべりする時は搾り取られることになる。
そう言えば、エルピスと会ってる時は
魔力あげなくても話せたな。やっぱりアレかな? 神の声だから神界なら大丈夫ってやつ。
で、シータ。
聖女の杖は今どこにあるかわからないか?
『うーん…。今はそれっぽいものは感じないねー。もう少し近づけば分かるかもしれないけど』
やっぱり、そう都合良くはいかないか。
しょうがない。
それでも、近づいて行けば認識できるかもしれないってわかっただけでも良しとしよう。
ん、待てよ?
もし仮に聖女の杖が偽聖女にわたった場合はどうなる?
『んー、エルピスが聖女と認めない限りは使うことは出来ないから、聖女の杖はあたしと同じで干からびるのを待つだけかも。それでもある程度魔力が補填されてればしばらく…何年かは全然持つと思うよー』
そういうことか。
杖は聖女ありきなのか。
おそらくそれをわかっていながらの聖女交代劇なんだろうな。
もしかしたら、交代劇と共に杖は偽聖女の手に渡ってるかもしれないなー。
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