第176話 謁見
アルテさんに案内されて王城の客間に通された。
キレカワな侍女が用意してくれた美味しいお茶をいただく。
カップを持つ手が震えてカタカタと音を鳴らしてしまった。ふと隣りを見るとセレナもカタカタしている苦笑
俺はセレナの両手を取って、俺の手と合わせる。セレナを落ち着かせようとしてやったことだが、何だか自分のほうが落ち着く。
それを見たシェリルも手を合わせてきた。
そうだ。
ココには俺だけじゃなくて、3人で来たんだなって改めて感じた。
ただ、そんな俺たちのことを見てキレカワ侍女が微笑んでいるのを見た時はとても照れくさかった苦笑
その後、この客間でフィリア王女と合流して打ち合わせでもするのかなって思っていたのだが、特にそんなこともないまま呼び出しがかかり、国王の待つ謁見の間へ行くことになった。
謁見の間には、既に10人くらいの人がいた。
玉座のゼスト国王は、両隣りの2人の男性と話しており、少し離れてソニア王妃とゼット王子、2人の女性を挟んだ一番端にフィリア王女がいる。知らない女性についてはおそらくシエラ第一王女とソフィア第二王女だろう。
シエラ王女とソフィア王女はやはりソニア王妃に似たのか綺麗系だな。
そして可愛い系のフィリア王女。系統が違うだけによく目立つ。普段とは違うドレス姿も可愛いなー、言わないけど苦笑
それにしても、この3人揃うと壮観だな。眼福。眼福。
「冒険者パーティー、ディオランサの3人をお連れしました」
「わかった。下がって良い」
俺たちを案内してくれた侍女に対してゼスト国王が言った。
「確か名前はシーマくんだったかな? 紹介してくれたまえ」
「はい。私たちは冒険者パーティーのディオランサです。右隣りのセレナ、左隣りのシェリルとの3人のパーティーになります」
「セレナと申します」
「シェリルと申します」
俺はゼスト国王に言われてパーティーの軽い自己紹介をした。
「謁見とはいえこの人数だ。そんなに緊張しなくても良い。公開する内容が内容だから、本当はもっと貴族達を集めたかったんだけど、君達が緊張するだろうなと思ってこの人数にしたんだ」
「ご配慮いただきありがとうございます」
俺は動揺するのを取り繕うようにして感謝の言葉を述べたが、その内容のことで
既に頭がいっぱいだ。
「早速だが、この前はフィリア王女を救出してくれてありがとう。褒賞は白金貨5枚。そして冒険者としてCランクへの昇格とフィリア第三王女からの後援、最後にシーマくんの準男爵への叙爵だ」
「「「…」」」
ん?
何だか褒賞の内容が凄すぎて、理解が追いついていかない。
白金貨なんて見たこともないのに、それを5枚も?
Cランクへの昇格は何となくあるかもと思ってだけど…。
準男爵って何だ?
俺、貴族になっちゃうの?
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