第109話 秘密



「俺はこのパーティーのリーダーでシーマっていいます。隣りが幼なじみのセレナ、そしてシェリルは、2人とも俺の婚約者でもあります」


「え?! めっちゃハーレ「姫様!!」ム...」



何か気になることを言ってるけどよく聞こえなかったから、まあいいや。

続けるか。



「全てを正直に明かしてくれたフィリア王女様に質問です。この状況をどのようにしたいですか? 可能かどうかはともかく、俺たちのことは考えずに正直に言ってみて下さい」


「えーっと、希望を言えばいいんですよね。まずは王家に迷惑をかけたくないので王家の馬車で帰りたい...。

そして...騎士団員の遺体を持ち帰って...ぐすっ、ご家族の元へ戻してあげたい...ぐすっ、です。ぐすっ」



…。

自分のことよりも他人のことを優先か。

いい王女様じゃん。


ここからは賭けだな...。


下手したら、俺が終わる。


セレナとシェリルに目で合図を送ると、2人とも頷いてくれた。

いい嫁ズだ。ありがとう。


いざ、勝負!



「わかりましたよ。フィリア王女様。全て叶えてあげますから、もう泣かないで下さい」


「へっ?!」


「ただし、これから王女様達が目にすることは内密にお願いします。出来ますか?」


「は、はい」


「まずは王家の馬車は車輪が壊れていますし、馬もいませんので、このまま収納してしまいます」



俺はそう言って馬車をアイテムボックスに収納した。

突然馬車が消えたことに驚く2人。



「「まさか、アイテムボックス?!」」



俺は何も聞いてない振りをして、そのまま近くに倒れている騎士団員の遺体を全て収納していく。



「「!!」」



「これで俺が王都に着いて、今収納したものを出せればいいんですよね?」



コクコク×2



もはや驚きで言葉も出てないな。

やり過ぎたかな苦笑



「倒したレッドボアは全部いただいてもいいですか?」



コクコク×2



よし。これでこの場はキレイになったかな。

でも、問題はこれからのほうが多いんだろうなー。

面倒臭くなきゃいいけど...。



俺に何かありそうだったら、

頼むぞ、エルピス。

元はと言えば、

あんたからの依頼なんだからさ。



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