第88話 熱帯夜?
いつも通り3人でベッドに入って寝ようかと思ったけど、目が冴えてしまってなかなか寝付けない。
気が付くと他の2人も同様のようで寝返りを繰り返している。
「シーマ、寝れないの?」
「うん。何だか目が冴えちゃってね。セレナも?」
「うん。さっきの料理のせいなのかな?」
「どうなんだろうなー。そうなのかもしれないけど、可能性でしかないからな。効果なのかは分からない。誰か1人だけ食べてないとかなら分かりやすかったのかもしれないけどね」
「シェリルだって、起きてるんでしょ?」
「えへへー。バレたかー」
「だって寝息が聞こえないんだもん。わかるわよ笑」
「何だか力が有り余ってる感じするよねー」
「ということは元気になってるのか...」
他の2人には言えないけど、実は俺も結構ムラムラしちゃって、いろいろと元気だ。
かといって、いきなり襲いかかるわけにもいかない。この世界ではエッチは結婚初夜を迎えてからなのだ。
我慢我慢。
「そうだ! みんなで魔石に魔力を注ぎ込めばいいんじゃない? 余力も残さないで全部注いだら、きっと眠れるよー!」
「シェリルー。それは眠るというか、気絶じゃないの?笑」
「うん。そうとも言う!笑」
「でもそれ、悪くないわね。やってみようよ。どうせ気絶してもベッドだし!」
そう言うなり2人は、魔石に魔力をたっぷり注ぎ込んだら寝てしまった。
かなり強引な方法ではあるが、間違いではなかったのだろう。
俺はエルピスに祈ってからやることにした。
エルピスに祈りを捧げると、
久しぶりの光景が広がっていた。
「あら、シーマくん。お久しぶりです」
確かに久しぶりだけど祈りを忘れてたわけじゃないよ。サボってもいない...はずだ。
「もちろん毎日祈りを捧げてくれてるのは知ってますよ。まぁ、そんなことはどうでもいいとして、シーマくん?」
えっ? どうでもいいの?
神力とかに関係するんじゃないの?
「まぁそうなんですけど、今はそれどころじゃありません!」
ん? 何かあったのかな?
テンプレだと邪神が出たとか?
「まぁ邪神と言えば邪神ですが...。シーマくんのムスコさんが邪神のように...って女神に何を言わせるんですか!!」
...。
いや、それはエルピスが勝手に想像してるだけで...。
「ところでシーマくん、また新たな婚約者を増やしましたね。しかも素直で可愛い女の子を」
またって...。
あ、そうだった。言ってなかったな。
すみませんでした。
あっ!そうだ!
その新たな婚約者ともスキル共有をお願いしたいんだけど...いい?
「まぁ別に構いませんけど」
よかったー。
シェリルも喜んでくれるな、きっと。
「シーマくんは、奥さんを何人まで増やすつもりなんですか?」
...すみません。
ついつい流れといいますか、何と言いますか...。
「もしも私があの世界に降りたら、結婚してくれますか?」
えっ? エルピス降臨するの?
まぁ絶世の美女だし、お世話になってるし、放っておくのは怖いけど...。
「もっとも、神力がもっと貯まらないと無理なんですけどね」
それじゃあ言わなきゃいいじゃん!
ちょっとだけ本気で考えちゃったじゃん!
「ふふふっ...。楽しみはもう少し後まで取っておきましょうね」
…。
まぁ今は、シェリルにスキルが共有されればそれでいいよ。
「そろそろ時間のようです。また祈りを捧げて下さいね」
わかった。元気でな。
あまり俺らを覗くなよ。
「ふふふっ。それは出来ない相談です。それでは...」
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