第42話 問題



俺たちがコスタを出た日。

何度かゴブリンとの戦闘があったくらいで、夕方になる前には最初の村に到着した。

早速、宿の手配をしたところで問題が発生した。

この村に宿が1軒しかない影響で、空き部屋が1部屋しかなかったのである。



俺がどうしようか困っていると、横からセレナがさも当然のようにその部屋に2人で泊まることを伝えて、『何か問題でも?』というような表情を浮かべながらこっちを向いた。

俺はブンブンと首を横に降って問題ない意思を示したら、セレナがニコッと笑顔になったので、これでよかったのだろう。


ん?よかったのか?


うーん………。




部屋に入ったらベッドが1つだった…。


それについても、セレナは何とも思ってないようだ。


そうか。

俺がソファで寝ればいいんだ。


俺はそう勝手に納得して、夕食とお風呂を済ませた後にまた問題が発生した。


俺がソファで寝ようと準備していた時だ。



「シーマ何してるの? 一緒に寝るわよ」


「えっ?」


「えっ?じゃないわよ。私たち婚約したんだもん問題ないでしょ?」


「まぁ…そうだね」



確かに俺たちはこの前婚約したばかりだし、世間的には問題はないんだけど、俺の心に問題があるんだよな。


前世も含めて全く彼女がいなかった中で、突然?婚約者が出来て、さらに同衾するってかなりハードル高いです。はい。



「じゃあ、いいってことで。早く来てシーマ。」



セレナがベッドの上で上半身だけを起こして、自分の隣りをポンポン叩きながら、そこに来いと言っている。

俺も何だかわからない覚悟を決めてベッドへとインする。

セレナの匂いがしてドキドキするが、それを隠すように、そのまま横になった。



「ねぇ、シーマ」


「何だい?」


「手を繋いでいい?」


「あぁ、いいよ」



ヤバい。

セレナが可愛い過ぎて寝れる気がしない。



もういいか。寝れなくても…(苦笑)



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