第14話 鑑定



セレナを空いてる部屋に案内した後、

俺は部屋に戻ってきてひと息つく。



何しろ異世界初日がやっと終わったんだ。シーマくんの記憶があるとはいえ、とにかく疲れた。

明日からも大変だが、その前にいろいろと確かめなければならないこともある。



まずはシーマくんの顔の確認だ。

洗面所にある鏡で見てみると、知らない顔が映っている。



突っ込みどこ満載だな。


誰だこれ?


しかも銀髪?



俺の若い頃のテイストが入ってなくもないけど、俺よりはイケメンで良かったよ。

ただ、慣れるのに時間かかりそうだな…。まぁいいか。



次は魔法関係のチェックだ。

火とかは使えないから確認出来るのは、生活魔法と空間魔法だけになるな。



生活魔法はLv.3で鑑定によると、ライト・クリーン・ウォッシュが使える。

ライトと唱えると指先に光が灯るようなので、実際にやってみる。

『ライト』

「おぉー!」

俺の指先に電球が付いたみたいだ。

そして、異世界に来て初めて魔法らしい魔法を使えたことで、ちょっと感動してる。


クリーンは体をキレイにするらしい。

『クリーン』

「?!」

若干汗臭かった感がなくなり、さっぱりした感じになる。風呂に入れない時とかには重宝しそうだ。


ウォッシュは衣類などにかけると、洗ったような効果があるらしい。

『ウォッシュ』

「スゲー!」

上着を脱いで唱えてみたら、大きいボール状の液体に包まれたあと、中でグルグル回ったあとに液体が消えて、汚れの落ちた上着だけが残された。

どうせならと、衣類を全部脱いでウォッシュする。楽ちんだ。

これがあれば宿のシーツなどの洗濯は楽になるなー。ほのかにいい香りもするしな。強制は出来ないけど、早くセレナにも覚えてもらいたいな。



お次は空間魔法だ。

空間魔法のLv.1を鑑定すると「サーチ」とある。周辺の状況を確認出来るそうだ。

『サーチ』

「なるほど。」

俺の近くだと、隣りの部屋で寝そべってる人を確認できた。セレナだ。疲れて寝てしまったんだね、おやすみなさい。

出来るだけ遠くを確認しようとするが、500mくらいが限界のようだが、それでも充分高性能だし、何よりも便利だから重宝しそうだな。




あとはアイテムボックスだ。


ん? 待てよ?

魔法とは違って唱える感じじゃないよな。

入れたいものに触れて収納することを意識すればいいのかな。

とりあえず、さっき脱いだ服を収納してみるか。


「おぉー!!」


服が消えた。

ステータスウィンドウに「服1/99」と表示されているので、成功したんだろう。99というのは種類のことなのかな?

今度は取り出すよう意識してみると目の前に現れた。しかも折りたたまれた状態でだ。控えめに言っても最高だ。何だかんだでチートは素晴らしい!!


次に大きなものも入れてみよう。

ベッドに触れて収納を意識すると、目の前から消えて、「ベッド1/100」と表示された。そのままさっきの服を収納すると「ベッド1・服1/98」となったのでトータルで100種類なんだろう。

容量については追々確認していくことにして、とりあえずベッドと服を取り出して寝ることにする。





異世界の初日からハードだったなー。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る