かくれんぼ。


 放課後。


 誰かが遊ぼうと言い出した。


 同級生や、友達の友達というやつで、学年の違う知らない子も混じっている。


隠れ鬼・・・


 誰かの言葉で、かくれんぼをすることになった。範囲は校庭内と決まった。


「誰が鬼する?」

「お前やれよ」

「え~、ヤだ。早く隠れたい」

「じゃんけんで決めようぜ」

「賛成ー」

お兄ちゃんがやってよ・・・・・・・・・・

「ああ、そうだな。お前がやれ」


 と、誰かが言い出して、俺が鬼になった。


 数えるのは百。


 目を閉じて、大きな声で数えて行く。


「もういーかい?」


「まーだだよ」


 返って来る返事は遠い。


 また数えて、


「もういーかい?」


もういーよ・・・・・


 返事が聞こえたので探しに行く。


 参加人数が割と多めで、十名くらいを探さなければいけない。


 一人、また一人と探して・・・


 あと一人だけが、見付からない。きょろきょろと辺りを探すが、時間だけが過ぎて行く。


「あたし、もう帰りたい」

「塾の時間」

「バスが来るから」

「飽きた」


 そう言って、見付かった子達が帰って行く。


「俺もそろそろ帰るわ」

「あ、うん」

「お前もほどほどにしとけ」

「わかった。じゃあ、明日」

「おう、またな」


 見付けた子の最後の一人が帰った後も隠れている子が見付からなくて、そのまま校庭を探し続けていると、


「なにしてンだ?お前ら・・・


 通りがかった幼馴染が言った。丁度今から帰るところらしい。


「かくれんぼしてたんだけど、最後の一人が見付からなくて。探してるんだ」

「ふぅん……もういいってよ。帰ろうぜ」

「え?」

「だから、もういいってよ。お前が視えてそうだから誘ったのに、目の前に出てっても見付けたって言ってくれねーから、もういいって。お開きだと」

「え・・・」

「お前、偶~に視えてっときあるからな? まあ、ちゃんと探してくれて嬉しかったってさ」

「マジかっ!?」

「あ? さっさと帰んぞ」


 俺の幼馴染は視える人だ。


 ・・・どうやら、俺も。


 偶に、視えて・・・?

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