第18話 マスク



×月×日



 ブッコローくんは相変わらずだ。



 例の新型ウイルスで大学が休校になり、バイト時間も少なくなったけど、お互い、元気に過ごしている。もちろん、飛沫予防のマスクは着用して、手洗いとアルコール消毒、帰宅後のうがいは徹底しているよ。



 遠出はできないけど、ブッコローくんが隣町のスイーツを買ってきて御馳走してくれた。私のマスクを指さして、

「食べな、ラスク」と何度も繰り返す。首を傾げたが、イントネーションですぐわかった。



 それって、「アベノマスク」だね。そうだよ。昨日、やっと届いたんだ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る