㊿雪編

「雪たのし~!」

「気温はマイナスになっているのに幼馴染ちゃんの心は沸点よりも熱そうだね」

「たのし~さいこ~!」

「やっぱりたまの現象だしテンション上がるよね」

「降雪でインフラ麻痺して立ち往生してる人たちを画面越しに見ながら呑気に遊ぶ優越感すき~♪」

「性格悪いよ幼馴染ちゃん」


~ ~ ~


「雪合戦だ~!」

「基本だね」

「かまくら~!」

「中に入ると別世界感があっていいよね」

「雪見だいふく~!」

「それだけちょっと仲間はずれかなあ」


~ ~ ~


「ちべたい……」

「素手で雪玉作ってるからだよ」

「うん……」

「ほら、こんなに冷えちゃって」

「えへへ♪」

「なんで嬉しそうにしてるのさ」

「きっと僕くんに手を握りしめてもらってるからよね」

「策士でござるな」


~ ~ ~


「そりゃ~~!」

「ぎゃああ」

「ツンデレちゃんの両目に雪玉ヒットでござる」

「拭いてあげるよ?」

「ありがとう」

「え?」

「……もうちょっとそのまま触ってていいわよ」

「よ~し彼女の目の前で堂々とメスの顔を見せる不届き者には全身押しつぶせる大雪玉をプレゼントだ~!」


~ ~ ~


「死ぬまでに雪の日に一度はやってみたかったことー!」

「いえーい」

「片っ端からかき氷シロップをかけて雪を食べるー!」

「ぇー」

「それー、ドボドボ~!」

「本当にかけたね」

「さ、ツンデレちゃんからどうぞ!」

「そこで他人に投げるのおかしいでしょう!?」

「まだ怒ってるでござるなあ」


~ ~ ~


「雪だるま~!」

「上手上手」

「ツンデレちゃ~ん!」

「表情の作りが芸術点高いね」

「アサシンちゃ~ん!」

「胸あと三ミリだけ削ろうか」

「某だけ指摘厳しくないでござるか?」


~ ~ ~


「雪が足りないの……」

「あれだけ食べたら減るよ」

「あたしがほとんど処理させられたんだけどね!?」

「妖怪雪食いでござるな」

「しょうがないっかー」

「これで幼馴染ちゃんの遊びも一段落」

「魔法で追加しよ!」

「するわけがなかった」


~ ~ ~


「何してるでござる?」

「掘っては埋めてを繰り返してるんだ」

「年末の工事みたいでござるな」

「風刺とエッジが効いた発言だね」

「……案外、僕くんがなにかしてるのを見ているだけというのも悪くないでござるな」

「なんか抜け抜けといいポジションにいるー!」

「あの子が一番油断ならないのよね」


~ ~ ~


「電池が切れたみたいに眠ってしまった」

「すや、すや」

「こうしてると子供みたいよね」

「ほんとにね」

「……ねえ」

「うん、そうだね」

「でしゃばった瞬間寝た振りを解除して襲いかかってきそうなので何も言わぬほうがいいでござるな」

「もーいつから気づいていたのさー!」

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