お嬢猫の優雅な一日?
真偽ゆらり
甘美な雫
「[好きな名前を入れてね]~」
この鳴き声は下僕が私を読んでいる時の声ですわね。
眠いので無視ですわ。
「お、いたいた。[好きな名前を入れてね]~ってお眠か」
見ての通り私は寝ているのですから話しかけてくるんじゃねぇですわ。
うひ!? 急に淑女に触れるんじゃありませんの。
って、私を起こしておいて撫でるのをやめるんじゃありませんわ!
「どうした[好きな名前を入れてね]~? あ、はい。撫でるのをやめるなってか」
そうそうその調子ですわ~そこそこ、そこですわ――もういいですわ。
『もういいと言ってるでしょう!?』
「
今日のところは甘噛みで勘弁してあげますわ。
「え、なに[好きな名前を入れてね]?」
察しが悪い下僕ですわね。
今日は寒いんですから座布団の代わりをするのが下僕の役目なのを忘れているんですの?
「あ~膝の上に来たいのね」
は~
下僕が一番温度が高いから寒い日だと丁度良いですわね。
この音……世話役が帰って来た音ですわね。
「あ、[好きな名前を入れてね]……しかたない」
「ただいま。あら、[好きな名前を入れてね]ちゃん。お出迎えしてくれたの?」
はっ!? この封を開ける音はまさか!
「[好きな名前を入れてね]~おやつだよ~」
『甘美な雫ですわ!』
下僕、甘美な雫を持っていたのなら何故さっさと出さなかったんですの。
早く早く早く、早く甘美な雫を寄越しなさい!
まだ?
まだなんですの?
もう待ちきれませんことよ?
「ちょっとせっかく[好きな名前を入れてね]ちゃんがお出迎えしてくれたのに」
「母さん、おかえり。こっちだって[好きな名前を入れてね]がせっかく膝の上に来たところだったのに」
下僕? なにをしているんですの!?
『早く寄越すんですわ!』
「あ、ごめん[好きな名前を入れてね]。今あげるから」
これですわ!
これしか勝たんですわ!
ぺろぺろですわー!!
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