道徳赤点錬金術師

 (正しいことをすれば みんなが褒めてくれた


 それが私にとって 鎖となった)



 「キョウカぁ~。うん、まだ生きてるね。


 よっと、キョウカが大好きな膝枕。ルーツはあたしだというのに」




 (大人になって気が付いた ただ利用していたんだ


 それでも私は 縋っていた)




 「足音?・・・・へぇ、キョウカを救いに来たんだ?


 でも遅かったんだ、もう彼女はあたし無しでは生きられない」




 (だれかの声が聞こえた 落ちてはいけないと


 でも私は落ちていく   もう助からない闇に)



 よりによってかつての友が来るなんて。


 あたしの時は誰も救ってくれなかったんだ!



 キョウカより頭もいいのに!!!



 勉強も人並みなクセにクラスの雑用をやっていい子ちゃんを演じてさ。




 (誰かの声が聞こえた 鎖を伸ばしてくれた


 でももう助からない  私が選んだ道だから)



 

 「なにちょっと野暮用があっただけさ。


 私の生徒が世話になったな。


 けれどもう1人、君を救いに来た!!!」




 緑髪の大人?教師が今更何の用だ?


 あたしの時は救ってくれなかったくせに!! 



 (フォーリンダウン 


 誰かのおもいが 重なっていくのを感じたよ)





 「残念だけどすべては盗聴済み。ススパパの事を知らないからこうなる。


 どうやって操ったかは知る気はありませんが、

彼女の事を何にも分かってないですねぇ。


 僕から渡されて踏みつけたパン。


 どうしようもないお人よしなら食べてくれると信じていましたよ。


 にゃひひひひひ」




 キョウカの遺伝子を引き継いだ人体錬成か。


 パンの中に盗聴器を隠すなんて回りくどいことをする。


 じゃあ全部キョウカの手の内ってこと?




 (フォーリンダウン 


 でもごめんね もう手遅れみたい)




 「偽物か本物かなんてこの際どうでもいい!!!!!


 ニコラスちゃんでも、ススちゃんでも、キョウカちゃんでも

全員甘えるがいい!!!」



 確かキョウカのいや、ニコラス・スラーの母親。


 血が繋がってない他人なんか育てても裏切られるだけだ。





 (正しいことをしても もう誰もほめてくれない


  それが大人にとって 当たり前だって)



 「ススにとってアヤメさんが大事なのは、よう分かった!


 せやからこれからは恋敵や!!!!」



 薄い青色の女。彼女が今のキョウカを支えている。


 なのに何故あたしをライバルと認めるんだ?

 



 (子供の時は 気が付かなかった


  違うと思う 知らないふりしてた)



 「み・・みんな?」



 マズイ、キョウカが目を覚ました。


 でもあたしには切り札がある。




 (もう誰の声も 届かなくなっていった


 自分から離れた ただそれだけなのに)




 「あたしには人体錬成で創ったキョウカ達がいる!


 攻撃できる?友達と同じ存在に!!!」




 (もう無駄なんだ 鎖は届かない


 それが世界だと そう思い込んでいた)



 「フッ、残念ながら彼女たちは道中で説得済みだ。


 対スス君を想定して持ってきた哺乳瓶とミルクでな。


 あははははは」




 「キョウカァ?!!!あたしの時より悪化してる!!!」



 教師のケアってここまでするものなのだ?




 (フォーリンダウン 


 いつの間にか 何人ものともだちが)




 「まさかあたしを裏切ったのか!!!


 キョウカよりも人体錬成の精度が上なのに!!!!」




 「裏切り?そもそもススパパの遺伝子が素直に言うことを聞くとでも?


 地獄のような地球で ”いい人” を演じていた反骨精神の塊が彼女ですよ?


 にゃひひひひ」



 この子も人体錬成、主が偽物とわかっていて何故信じれるのだ?





 (フォーリンダウン 


 私を救って くれる気がしたんだ)




 「いい加減目を覚まさないと今日の膝枕は抜きやで?


 だから目を覚ましてぇな!!!ススゥううううううううううう!」




 「心は所詮化学反応。1度へし折ってしまえば2度と元には戻らない!


 叫ぼうが喚こうがもう手遅れだ!!!」




 (無限に無限に 終わらない闇の中


 ついに 落下が止まったんだよ


 ありがとう みんな)



 

 「感謝はしませんよ?私はスス。


 道徳赤点錬金術師にして 

” 禁忌の年代譜オーバー・ユークロニクル ”の称号を持つ者」



 「待って!行かないで!!あたしを1人にしないで!!!!」



 じりじりとあたしから離れていくキョウカ。


 違う!あなたはススじゃない!!!


 


 (falling down falling down

  

 それでも私は 抗ってみせる)




 「どれだけ世界が理不尽でも抗ってみせたんです」





 (falling down falling down


 例え嫌われてでも 抗ってみせる)




 「私は人類の大多数は愚かだと思っています」




 (羽が折れても 心が折れても


 私はきっと 這い上がってみせるから)



 「それは私も含めてです。


 こんなところで心が折れてる場合ではないんです。



 大切な友達を・・・・虹渡 アヤメを救うために!!!



 何度でも!何度でも!!何度でも!!!這い上がってみせるってんですよ」




 わざわざ振り向き、つばをあたしの方に向かって飛ばすキョウカ。


 あたしの顔に唾がかかったのは後で頂くとして。



 いやキョウカはもういないんだっけ?


 そうだ・・・・・あたしが人体錬成で偽物を作って本物を殺したんだった。



 じゃあ全部あたしのせい?



☆☆☆



 ー あとがき ー


 フォーリンダウン&falling love


ユリラック 未申請済み



 作詞 不正 キョウカ


 作曲 ニコラス・スラ―


 歌  スス伯爵




1番 Aメロ


 (正しいことをすれば みんなが褒めてくれた


 それが私にとって 鎖となった)



 (大人になって気が付いた 利用していたんだって


 それでも私は すがっていた)



1番 Bメロ


 (だれかの声が聞こえた 落ちてはいけないって


  でも私は落ちていく   もう助からない闇に)



 (誰かの声が聞こえた 鎖を伸ばしてくれた


 でももう助からない  私が選んだ道だから)



1番 サビ


 (フォーリンダウン 


 誰かのおもいが 重なっていくのを感じたよ)



 (フォーリンダウン 


 でもごめんね もう手遅れみたい)




2番 Aメロ



 (正しいことをしても もう誰もほめてくれない


  それが大人にとって 当たり前だって)



 (子供の時は 気が付かなかった


 違うと思う 知らないふりしてた)



2番 Bメロ



 (もう誰の声も 届かなくなっていった


 自分から離れた ただそれだけなのに)



 (もう無駄なんだ 鎖は届かない


 それが世界だと そう思い込んでいた)




2番 サビ


 (フォーリンダウン 


 いつの間にか 何人ものともだちが)



 (フォーリンダウン 


 私を救って くれる気がしたんだ)



Cメロ


 (無限に無限に 終わらない闇の中


 ついに 落下が止まったんだよ


 ありがとう みんな)



大サビ


 (falling love falling love

  

 それでも私は 抗ってみせる)



 (falling love falling love


 例え嫌われてでも 抗ってみせる)



 (羽が折れても 心が折れても


 私はきっと 這い上がってみせるから)



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る