錬金術(カードゲーム)始めました編

夏ってのは最高だなぁ! タイツやルーズソックスの香りを堪能できるからな!あははははは


 ー 私立ポルタメント女学園 9月 ー



 長い夏休みが終わり今日から新学期。


 なんだかんだ髪を切るタイミングがなかった赤色の髪が揺れる。


 そろそろ美容院に行かないとラーメンが食べづらいから。



 錬金術の学園運営は私とアオイの遺伝子をこねくり回した

ニャラケルが担当している。


 赤色の髪と青い髪が左右に分かれつつ適度に侵食し合って浮世離れ感が凄い。


 当然私の知識とアオイの魔力が合わさったとんでもないじゃじゃ馬。


 ネコミミを生やして”にゃひひひひ”と鳴く人体錬成で生まれた少女。




 私とアオイは普通のクラスでニャラケルは保健室登校だ。


 別に体調が悪かったり先生が好きという訳ではない。


 集団での授業より個人で学習したほうが効率がいいからだ。


 正直アオイがいなければ私もそうしたい。




 ー 放課後 保健室 ー


 

 ニャラケルを迎えに行くと同時に保健室から薬品を借りに行く。

 科学室はダメです。私これでも人見知りなので。



 「先生失礼しまーす」扉ガラァ


 「ゲッ!今はマズイ!!!!あちゃあ、見られたか」



 せめてパーテーションかカーテンで目隠しするべきですよ、先生。



 「にゃひひひひ、先生の膝枕も乙な物ですねぇ、にゃひひひひ」



 何てうらやま・・・・けしからん!

 ニャラケルは膝枕ができれば誰でもいいのですか!!!



 「いえ錬金術とは果てのない学問です。

 それと同時に人間の体の柔らかみも深淵。

人間の筋肉で足は発達しやすいのですら、

 それこそ人類最後のフロンティア」キリっ


 「ニャラケルッ!!小難しいこといって誤魔化さない!!!

 じゃあ私の膝枕はどうなのですか?!」


 「ゑ?いいの!!!!!」ぱぁあああああ


 「しまっ、止めてっ!眩しい!!!!体が溶けるぅうううう」じゅううう



 私は地球での・・・前世の記憶を保持したまま異世界へ転生しました。


 ごく少数を除いて人類は浅ましい物とすら思っています。


 人々の闇の洗礼を受け続けた私にとって子供のような悪意のない笑顔は天敵。


 光が闇をかき消すように私のココロを浸食してきます。


 ・・・・自分で言うのも何ですが地獄へ落ちた身、

闇側であることは不承不承ではあるけれど自覚はしています。



 「あはははは!太陽に当たるとダメージを受ける

吸血鬼みたいだな。スス君は」


 「いえ、私はニンニク油入りラーメンもイケますから」


 「そこは空気読んで欲しかった!

まあ君には聖職者の祈りすら効きそうにないぐらいの邪悪だからな」


 「褒めても何も出ませんよ?きひひひひひ」


 

 緑髪の保健室先生が邪悪とか言ってドン引きしていましたが

気にしません。


 

 「そうでした。注文していた体温計とその他薬品を頂けますか?」



 「いやすまない。先ほど購買部から連絡があって

新人が輸送することになって遅れるんだと。


 しかし体温計をこんなに仕入れて何する気だ?

君が錬金術の学園を経営しているのは知っている。

流行り病で体調崩した生徒が大量発生しているのかい?」



 「私が欲しいのは体温計に含まれている”水銀”ですよ。


 これでも学生の身。


 大量のそのまま水銀を入荷できるほど王都の信頼を得ていないんです。


 有資格者の大人を雇うことも考えましたが、

体温計から抽出したほうがコスパがいいので。きひひひひひ」



 「悪い事には使わないでくれよ?」ドン引き


 「王都側から”銀もしくは水銀”の弾丸を作ってくれとの依頼です。

 野生化した人体錬成者を討伐するのに使うのでしょうね。


 ”魔女狩り”とかいってある種のスポーツと化していますよ?」



 「・・・・はぁ。スス君、行き過ぎた才能は時に身を亡ぼす。

 考えたくもないがニャラケル君も野生化しかけていたではないか?


 今後の運用次第では彼女自体に危害が及ぶ可能性だってある」



 溜息を吐いて警告をする先生。

 確かにその危険は考慮しましたが。



 「僕は流石に普通の人体錬成者より強いですよ?

 アオイママの魔力とススパパの知識。

 相対的に僕が狩られたということは人体錬成者の絶滅を意味します」


 

 「自意識過剰め・・・・と言いたいところですが事実です。

 10年に一人ひとりの魔力量であるアオイの遺伝子を引き継いだのなら

事実上最強といっても過言ではありませんね」



 魔法の才能は人によって様々。

 けれど天才と呼ぶべき人間は存在する、何なら私は平凡レベルだ。


 ニャラケルに関しては放っておいて大丈夫、問題は野生化ですか。



 「先生、ニャラケル。人体錬成者の野生化の原因って分かりますか?」


 「ゑ?!!!!!!!」


 

 先生が驚いていますがそんなリアクション取らなくても・・・・。


 

 「す、スス君が人を頼った!!!!」


 「にゃひひひひ、ススパパはぶっ倒れてようやく

僕達に依存してくれました」


 「そ、そうか、付け焼刃の洗の・・・もとい誘導が効いたんだな。

あはははははは」



 スス・ニャラケル (今洗脳って言いかけましたよね!!!先生!)



 「っと冗談は置いといて、ニャラケル君ルーズソックスを私に」


 「もしもしポリスメン?」


 「あー私は鼻が効いてな。その辺のレントゲンや採血より

体調の把握はできるから。


 決して美少女の足回りが好きというヘンタイではない!!!」鼻血ダバー


  

 スス・ニャラケル (鼻血出てますが!!!!)

 


 嫌じゃ、こんな先生見とうnightない


 

 「すんすん、そうか分かったぞ!幸せホルモン”セレトニン”の分泌量だ」


 「ホントですかい!先生の兄貴ィ!」



 思わず口調がお酒の名前の人になりかけましたよ。



 「保健室登校の条件にニャラケル君の足回りを嗅ぐ権利を得てな、

毎日堪能・・・・・じゃなくて検査していたのだが

日に日に変化が訪れてな。


 確証は持てなかったものの今日スス君が来て判明した。


 人体錬成者といえど彼女は生後0歳だ。


 つまり”愛”に飢えているんだ」



 スス・ニャラケル 「「何故そこで愛っ?」」



 「子供って言うもんはいつだって、いや大人でも人に甘えたい時はある。


 給料を家庭に入れて親としての役務を果たしたと考える父親も多いが

子供側からしたら構って欲しい、もっと自分を見てほしいって願望が出る」



 「ニャラケルは・・・

いえ人体錬成者は遺伝子提供元を親と認識しているのですか?」


 「あくまで仮説だ。アオイ君もバイトでスス君も王都へ行っていたんだろ?

共働きの両親を持った子供の相談なんてよくあることだからな」


 「ニャラケルはそんな素振りは・・・・・

ツッコミが甘い時がありましたね」



 「しっかりしている子ほど、自己表現に乏しい子ほど、

自分の感情を押し殺して我慢するもんだ。


今日ぐらいニャラケル君の為に膝枕させてやんな」




 返す言葉もありませんね。

 ベットを借りてニャラケルに膝を明け渡します。


 といっても私は黒の60デニールのタイツですから、

ストッキング派のアオイと違って太ももは露出していないし

摩擦があります。


 それでも・・・・・おおおおおお?


 ニャラケルと反対側の太ももに先生の頭が!!!聞き返したところ

「成功報酬だ!別に減る物でもあるまい?あはははは」と供述。






 仕方ありませんね。確か大人も甘えたいのでしたか。


 ほんのり風が入りカーテンが踊る保健室。


 いつの時代であってもこの心地よさは「失礼します。ビール缶の定期便と 

その他をはいそ、う?」


 誰ですか?思い出ノスタルジーに浸っていたのに。


 

 忘れてた!!!!!!!

 アオイのバイトは購買部と食堂の手伝い!!!!


 そして体温計は今日配送予定!!!


 先生とニャラケルを膝枕する私!!!!


 仕事してるアオイ!!!!!!!



 浮気現場を押さえられた私と先生は正座しながら事情を説明。


 確かに膝枕は減る物ではありませんが・・・・・・・

信頼は失ったようです。  

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