危険度SSS級世界の中堅魔術師、A級終末世界の日本に転移する〜S級世界最強クラスの無自覚無双ぶらり旅〜
あおぞら@書籍9月3日発売
第1章 転移とF級異能力者の少女
第1話 危険度SSS級世界の中堅魔術師、転移に失敗する
———SSS級世界。
数多にある世界の中で最も危険な世界。
この世界で戦闘と言えば、惑星破壊レベルは当たり前。
最強クラス同士の戦いでは銀河系1つ破壊レベルである。
そんな化け物揃いの世界に1人のしがない中堅魔術師がいた。
その魔術師の名前はソーラ。
短い銀髪を靡かせ、クール系のイケメン顔は苦々しく歪んでいる。
そして銀色と青色のオッドアイを少し輝かせて上空を見上げていた。
「あー……またやってるよ。良い加減にして欲しいよな」
ソーラは【遠視】の魔術を使って大気圏で戦っている者達の姿を見る。
上空では剣を持った野蛮そうな女と、杖を持ち眠そうな顔をした女がバチバチにやり合っていた。
強者の戦闘で地上にいるソーラの所まで余波が来ており、ソーラはひたすら防御魔術で死なない様に耐えているのだが……
「これで何回目だよ……たかが牛肉と豚肉、どちらが美味しいかで此処まで争う必要ないだろ……」
ソーラはウンザリとした表情でぼやく。
2人の戦闘は1ヶ月に一度は行われており、この世界でも有名である。
くだらない争いが原因と言う事も。
(俺にアイツらみたいな力があれば止めに入るんだけど……俺には頑張っても標高10000メートル級の火山くらいしか壊せないしな……)
この世界では良くも悪くも弱肉強食。
弱ければこんなくだらない争いの余波で命を落とす。
その事を身に沁みて理解しているソーラは、2歳の頃から必死に努力して、20歳と言う若さで中堅レベルの力を手に入れた。
しかし同時にソーラは自身の力がこれ以上上がらないことも感じでおり、こうして不満を垂れるものの余計な事はせず、ひっそりと生活している。
今日は自身の誕生日と言う事もあり、この世界でも高級肉である、エンペラーオークの肉を求めてやって来たのだが、運悪くこうして強者の戦いに巻き込まれてしまったのだ。
(自分の誕生日だからって余計なことしなければよかった……。こんな事なら1日中家で友達と駄弁ってた方が良かったかも)
ソーラは自身の判断ミスに深く後悔するももう時すでに遅し。
目的のエンペラーオークは余波で灰になり、ソーラの周りはクレーターまみれ。
強者の戦闘も終わる気配なし。
「さて……どうやって帰ろうか……」
(今すぐ【転移】を使えば帰れる……訳ないか。俺の結界のせいで周りと遮断されてるし、結界解けば一瞬でお陀仏だろうし。それなら最大火力の魔術でも使うか? 余波くらいならなんとかなるはず……!)
ソーラは意を決して詠唱を開始。
「———魔術師ソーラが命ずる。6つの属性よ、1つに合わさり、今根源を撃ち払え———」
ソーラの詠唱と共にソーラの前方に1つの直径20メートルくらいの大きな魔術陣が出現し、その周りに直径2メートルくらいの規則正しく6角形を描くようにそれぞれの属性の魔術陣が現れる。
そしてそれらが光輝き———
「呑み込め———【
結界の解除と同時に6つの属性が混ざった混沌色の光が、戦闘の衝撃波や魔術のこぼれ球や弾かれた剣気を呑み込んでいく。
これはソーラの中でも最上級の魔術で、破壊と言うよりは物を呑み込む事に特化した魔術である。
そのお陰で一瞬だが平和な時間が訪れた。
「よし。……座標軸指定———完了———【転———」
ソーラが急いで自身の家に座標を指定して飛ぼうとしたその時———
「———【神滅】」
「———移】。まずっ———」
ソーラが転移すると同時に神をも滅ぼす破壊の光が辺りを包み込んだ……が、ギリギリ転移には成功。
しかし転移の座標を大きくズラして……だが。
▲▽▲
———ヒュッ。
転移が終わったソーラは、直様地面に手をつき、ドクドクと強く脈打つ心臓と荒い息を整える。
そしてふと、地面がカーペットでない事に気付き前を見ると———
「…………は? 此処どこ?」
自身の家ではなく、大きな建造物群に火の手の上がっており、肌が灰色で目が白目の見た事ない人間みたいなモノの姿が目に飛び込んできた事により、ソーラの頭は混乱を極める。
しかしそれもほんの一瞬の事で、
「あっ……ミスった……」
直ぐに【転移】の失敗を悟った。
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何か急に終末世界系のものが書きたくなったから書いてみた。
一応毎日投稿頑張る。
毎日18時23〜25分の予定。
下⇩⇩⇩の☆☆☆を★★★にしてくれると作者のモチベ上昇。
偶に2話投稿になるかも。
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