第13話 思い出せない約束
ドアですれ違うとき、梨偉人の顔を近くで見て気づいた。
今まで前髪で隠れてたから気付かなかったけど、こいつの顔誰かに似てる。そうだ。前の世界の学校で授業をさぼって寝てた図書室の司書だ。俺、気絶する前にあいつとなんか約束したような気がするんだけど、駄面だ、思い出せない。
「どうしたの?」
考えながら梨偉人の顔をまじまじと見つめていたら、不審に思われたみたいだ。
詠子が本を読むふりをしながらこっちを気にしてるのが気配でわかった。
「いや、またね」
本当はなんで前髪で固め隠してるのか聞きたかったんだけど、ここは気を利かして二人にしてやるのが親切だろう。
図書室を出てから、前の学校の司書とした約束を思い出そうと頑張ったけど、駄目だった。
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