第8話 講演会

講演会は簡単な自己紹介の後、速読の実演だった。


速読の実演ってどうやるんだって不思議だったけど、10分間で速読王が何冊読めるかを全校生徒が固唾を飲んで見守るというショーだった。


速読王が壇上ですごい速さでページをめくっていく。その後ろに大きなモニターが置かれ、そこに今読んでいるページが映し出され、読んでいる場所が赤く光る。その光が超高速で移動していく。モニターのページが変わるたびにすごい歓声があがって、体育館が熱気に包まれていく。


10分経ち、速読王は12冊と20ページを読み終え、自己ベストを3ページ更新した。


最後の挨拶で、母校であるこの学校で3年ぶりに自己ベストを更新できたことをうれしく思うって泣いていた。


卒業生だったのか、こいつ。




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