第22話 本戦4
電光掲示板に出た名前はサスケvs.カペラ。
カペラはクリムゾンがいた予選第三試合で生き残ったプレイヤーだ。
「サスケって、遠距離のやつだったな」
「(うわぁぁー顔こっわ!」
「おい!誰の顔が怖いってぇ!」
「あ、声にでてた」
カペラは身長が180ほどでガタイが良く、ヤクザみたいな顔をしていた。
「つまんなそうだからすぐに終わらせてやるよ!」
「ひぃぃぃ」
サスケは腰にある拳銃リボルバーを一瞬で引き抜くと、引き金を引いた。リボルバーから放たれた弾丸はカペラの頭を撃ち抜いた。
「え?」
「勝者はサスケだぁぁぁぁぁぁ!なんと扱いが難しいとされている魔銃を使いこなして、一発ヘッドショットを決めたぁぁぁぁ!」
「「「うぉぉぉぉぉ!」」」
「危なかったなぁ」
「「「「いやどこがだよ!」」」」
会場全体が息のあったツッコミを入れた。
「本選第七試合の抽選を始めるよ。第七試合の出場者はこいつらだぁぁぁぁ!」
電光掲示板に出た名前はアルデvs.タイル。
アルデは予選第三試合でトップクラスのPSを持ち、双剣を使いこなすプレイヤーだ。
そしてタイルはサキの猛攻から生き残った、大槌を使いこなすプレイヤーだ。
「うわぁ、アルデさんか」
「お前はNewLifeWorldで鬼人のタイルって呼ばれていただろ」
「なんで知ってるんだよ……はぁ、そうだよあの時は毎日のようにPKしてたな。まぁ今は生産に勤しんでるけどな」
タイルはNewLifeOnlineの前身とも言えるNewLifeWorldにてPKプレイヤー『鬼人のタイル』として名を馳せていた。
「生産職だぁ?そんな雑魚職業で勝てると思っているのか?」
「別に勝とうなんて思ってねえよ」
「まぁいい始めるぞ」
「どうぞ」
「なぁタイルって」「やっぱりそうだよな」
NewLifeWorldでのタイルを知るプレイヤー達がざわざわし始めた。
「おりゃぁー!」
アルデは双剣を巧みに使いこなし、タイルを舞台の端へと追い詰めた。双剣の連撃にタイルは対応し切れていないように見えた。
双剣に身軽さでタイルのことを翻弄したアルデは、双剣の内の一つを横に振るった。タイルは大槌を短剣にぶつけて対応した。しかしアルデはもう一方の剣を無防備なタイルの頭へと上から振り下ろした。
「(獲った!)」
「おいおい、こんなにも弱いのか?」
タイルは振り下ろされている剣を大槌の持ち手で防ぎ、アルデのことを蹴り飛ばした。
普通大槌は全身を使って使用するものだが、彼は腕の力のみで振り回している。まさしく鬼人と言える。
「な!?」
アルデは場外にまでは吹き飛ばなかったものの、舞台ギリギリまで蹴り飛ばされた。ただの蹴りのためダメージはほぼ受けなかったが、生産職という前情報と実力の不一致にアルデは混乱していた。
「なぜ生産職がこんなに力があるんだよ!?」
「力だぁ?力なんて地の力に決まってるだろ!」
地の力と言われて更に混乱は加速した。
「もういい、つまらない。こっちから行くぞ」
タイルは地面に向かって大槌を振り下ろした。
「土割り槌」
タイルがぶつけた地面からアルデへと向かって地面が真っ二つに割れていった。
アルデは割れる地面を避けるようにタイル向かって走り始めた。その速度は普通の人間より少し早い程度なため簡単に観測出来た。
「ギアチェンジ」
10秒間だけ速さ、力を上げる能力を使って一瞬でタイルとの距離を詰めると、ギアチェンジによって上がった力で剣を力いっぱい振り下ろした。
「まだ弱いぞ。破壊槌」
槌使いのアーツである破壊槌は槌の威力を上げる能力だが、命中が不安定になるデメリットがあるため槌使いはなかなか使いたがらない。しかしこの時はアルデが向かって来ていたため、デメリット無しでアーツを発動出来た。
「な!?」
アルデはタイルの大槌によって地面に叩きつけられた。叩きつけられた衝撃で舞台は大きく抉れ、アルデはかなり体力を失った。
「はぁはぁ」
「耐えられたか……だが次で終わらせてやるやる。
タイルは雷を纏った大槌をアーツ破壊槌を重ねた一撃をアルデへと振り下ろした。
ドカァァァァァァァァン!
舞台はタイルがいる場所以外は崩れており、アルデは体力が1残った状態で、崩れたことによって舞台では無くなった場所に倒れていた。
「アルデ選手場外!タイル選手の勝利!」
「ふぅ、この武器を作ってから初めて本気を出したな」
――ミョルニル・レプリカ――
スキル【大槌術専用】
物理強化 物理耐性 魔法耐性 雷属性付与
固有スキル 雷神之大槌
――――――――――――――
「本選第八試合の抽選を始めるよ。第八試合の出場者はこいつらだぁぁぁぁ!」
電光掲示板に出た名前はリゲルvs.デネブ。
リゲルは予選第一試合で土魔法と水魔法を使いこなし、生き残ったプレイヤーだ。
そしてデネブはNewLifeWorldの頃から最強のPKと呼ばれている。衛兵たちが街に置かれるようになったのは、彼がβプレイでかなり暴れたのが原因だ。
「デネブ!今回はお前を倒させてもらうぞ!」
「お前が誰か知らないが、大方PKされた人間だろうな」
二人の因縁はβ版まで遡る。
βプレイを始めたリゲルは初めて直ぐに街を出た瞬間、デネブに首を狩られてデスポーンした。更に彼の不幸は続く。リスポーンして街に帰ってきた彼は、魔物を狩るためにもう一度街の外へと出たが、またデネブに首を狩られてしまった。これが計3回行われたため、彼は挫けβ版を続けることを断念した。
「またお前は俺に狩られるんだ」
「負けねぇ!
リゲルは5つの水で出来た槍をデネブへと飛ばしたが、デネブはスキルを使うことなくPSのみで全て防いだ。
「首斬り」
デネブは自慢のスピードを活かして、リゲルに近づいていき首を斬ろうとした。
「
リゲルは土で出来た壁を魔法で作ってデネブからの攻撃を防いだ。
「くそっ」
斬れないと思ったデネブは1度後ろに下がった。
「あまり時間を掛けても俺が負けるからな、
リゲルは大量の水で作った龍をデネブへと打ち込んだ。
「なら受けてやろう」
「アーツ
デネブは懐に入れていた拳銃を取り出すと【銃使い】のアーツを使い、水の龍に向かって弾丸を撃ち込んだ。
ビュゥゥゥゥゥンドカァァァァァァァァン!
水の龍と弾丸がぶつかった衝撃はまるで水蒸気爆発みたく大きな爆発となった。
舞っていた砂塵が晴れた後に舞台に立っていたのは、まったく外傷がないデネブだった。
「俺が負けるわけないだろ」
「勝者デネブ!」
「「「ウォォォォォォ」」」
デネブが見せた圧倒的実力に会場はこれまでで一番湧き上がった。
「本選最終試合の出場者はこいつらだぁぁぁぁ!」
電光掲示板に出た名前は
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ここからはあとがきです。
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