(続き1)
青木さんは気にせず歩き始めた、困惑している私を洗剤を売っている人は不思議そうな目で見ている、私は怠そうな格好のまま会釈をして、青木さんを追った。
私が彼に追いつくころには近くの店でクッキーを彼は購入していた
購入したものを教会から持ってきていた袋の中に入れている
「洗剤にプラスチック、漢字、それにエコバック?なのに外観や雰囲気は中世ヨーロッパ?全く世界観にあってないじゃあないか…」
「しかもここは約二千年後の日本で…今までの科学文明はどこに行ったし…」
そうつぶやいた
つぶやかざるを得ないだろ、こんなこと
そう思い視線を落とすと、老人の商人が包装している新聞紙が気になり、目を向けてみた
{バイキングの暴走止まらね、日遠路西側の国民また持ってかれる}
今日の昼刊、つまり青木さんが読んでいたのと同じ物、
「うん…違和感あるけど読むことが出来るな」
新聞の書き方にしてはずいぶん乱暴だが、書き言葉は変化していないようで安心した
…書き言葉が変わってないのか
すると私の視線を感じたのか、梱包している商人が私に話しかけてきた
「なだ?うぇにゆーか?」
「…へ?」
きょとんとしてしまった
お互いが顔を見合い、一切言葉を交わさない
当たり前です何言ってるかわからないんですから
その空気を察したのか、すかさず青木さんが寄ってくる
「あぁせーてさん、かーらたひ!ながひんなけてけーつしたですか?」
「あぁえーきさん、かーらたし、や、せんひてがよみったんでぃ、ながゆーがおーんかて」
「あぁたーひ、どうしましたか渡辺さん?何か気になりましたか?」
青木さんは老人との会話が終わると振り向いて私に聞いてきた
「いえ、その梱包している新聞紙の内容が気になったもので、そうだ青木さん、その新聞の見出し声に出して読んでみてくれませんか?」
「?いいですよ」
「べーイングねばうさうてまっね、ひえんれにひがわんけくみんまためっちけーた」
…うん話し言葉を習得するには時間がかかりそうだ
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