(続き5)

「おぉ~きぃーすてゅっけねてっぷ!、かーらたしい?」

「うん、たーしいね!えめーさんわ?」

「うつぃもかーらたしい!、もしいっぺぇすてあゆーんなーしぇぜーがじゃくかねただしいや!けーしてぇくんにぇ!!」

「かーしゃらしい!あざっす!」


そのお店に向かっている途中で青木さんはよく道行く人に話しかけられているのだが…いったい何を話しているんだ?

「すいません、あなたは彼なんと話していたのですか?」

「…?わかりませんでしたか?確かに老人でしたが、そこまで活舌は悪くありませんでしたよ?」

「いや…そうじゃなくて…」


なんだか思っているのと違った返答が返ってきたと同時にさらなる人が彼に話しかけてくる


「けぢゃ!えーきさん!かーらたしい?、おぉ!えめとてめにえんわあたーしいふーど?」

「えぇ、ふーどりゃねぇかめ、まらしゃん。えめわかーらしい?」

「かーしゃらしい!あぁけんしゅーねさでぇいけんかめしぇん、あぜだらしい?」

「うん、あぜだらし!、せんつぎぃのさでぇに!」


「‥‥すいません、どんな会話してたんですか」

「?…挨拶と、今週の日曜日に教会に来れないので来週来ます、って話と…あと一緒に並んでいるのは友達?っと」

「‥‥友達?なぜわざわざ?」


その後も連綿と…


「やぁ!きぃーすてゅっけねてっぷ、えめにぇしゅみがたらしいっけがでぇいーたってま?」


「ふーいけてばが言うでくーふーどか?まだえったんだや!」


「…なんて?」

「…趣味が合う新しい友達が出来たの?とか、その言葉を使い合える人がいたんだねって感じかな」


…もしかして


「今あなたと話すときに使ってるこの言語って‥」

「?あなたも勉強したわけではないのですか?」


「…」


「すいません、今西暦何年ですか?」

「西暦?う~ん、西暦に直すと(顔を少し上に向け、指を筆のように空中で動かしながら)…4042年かな」


…あ~あ、意味わからん

つまりこの人はこの地、4042年のこの場所で2000年代の言葉を使ってるわけだ。

現代で言うところの、平安時代の言葉を日常使いしてる奇人ってことになるわけだ。


この人本当に教会の人なのか?

ただの歴史ヲタクなのでは?

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