(続き1)
しばらくたった、なんだか途中で寝てしまったらしい。
"寝てしまった"
この状況でこんな言葉を使ってしまったらなんだか死んでしまったように感じるがそうではない、文字通り私は目を閉じ、まぶしいほどに白い空間の中眠ってしまったようだ。
サリンを食らった時には心拍数の低下や呼吸困難も併発するという
今の私にそれがないという事は
「これはサリンじゃない!」
一体私の身に何が起きているんだ?
それと一つ疑問
そう、目をつぶっているのだ、目をつぶっているのに目の前が真っ白なのだ
動揺していて忘れていたが我々は瞼を使って自由に光を遮ることが可能な筈なのだ、ますます意味が分からない!
今の私に出来ることは何かあるだろうか…這いつくばってとりあえず研究室から出よう。
今思い返してみても何とも不思議な体験だったのだが
”寝てしまった”
つまり長い時間がたったのに現状がなにも変わらないということはこの先ここにいても何も変わらない、そう考えた。
腕を交互に前に出して衛生面等気にせずどんどん進んでいく…
ゴンっと腕が何かに当たった、
スライドドアだ!
扉に手の面をべたっとつけて勢いよくドアをスライドさせたが、一発じゃ上手くいかない。もう片方の腕を使い、まるで投げ飛ばすかのようにスライドさせると勢いよく扉が移動しガンッと衝突音がする
この先をまっすぐ行ったところにテラスに行ける大きな窓がある、そこから外に出れる、人がいれば助けを呼べる、私は駆け上がるように乱暴に立って壁に沿って歩いた。
耳は聞こえるし、感触もある、この調子なら味覚も嗅覚もあるだろう
そのまま歩き続けて無事外にあるテラスへ出れた
視野が鮮明になるのを感じる、そこで私が見た光景は…
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