魔法と聖女
「あかりは、魔法につてどのくらい知ってる?」
「魔法……かぁ……」
考え込むようにしてあかりは黙り込んだ。
そして、しばらくしてから顔を上げた。
「百も知ってる情報だと、貴族だけが使えるもの。それで私みたいな平民が使えるのは
稀って事。それ以外だと……多分、私は聖女って呼ばれるやつだと思う」
「あかりが?……確かに、ヒロインなら聖女でもおかしくは無いか……」
「そう、それで百も多分……聖女の資格があるはず」
「は?」
思わず変な声が出てしまった。
でも仕方がないと思う。
突然そんな事を言われたら誰だって驚くはずだ。
「そうだよね、そういう反応になっちゃうよねぇ……」
あかりは、苦笑いしながらそう言った。
そして、詳しく説明してくれた。
「ゲームの世界のままだったら、ヒロインが聖女で正義で悪役令嬢は悪っていう
風になっていたよね?」
「うん、私もそのつもりでいるけど……違うの?」
「そうだね。私と百の二人が転生してきて……お互いがお互いの為に何か行動を起こしていたら?」
「…………未来が変わる?」
「そう、レールから外れた私たちの行動によって世界が変わったとしたら?」
「…………何が起こってもおかしくない」
「そう、百も感じたことない?あれ?このゲームにこんな話あったっけ?とか
こんな展開だっけ?とか」
「…………ある……!!」
あの時は気のせいかと思っていたけど、まさか本当に……
いや、あかりの顔を見れば、これが嘘じゃないって言うことぐらいわかる。
あかりは真剣な眼差しで私を見つめている。
その瞳には強い意志を感じた。
彼女は、本気で言っているんだ。
「それで、私が聖女って言うのは……」
「百、私が使える魔法と同じの使えるでしょ?」
「うん、水……だよね?」
「そう、ゲームの世界の百は炎と闇だった、それが今は水と氷…」
「それだけで聖女になる資格があるって言うの?」
「ううん、それだけじゃならない。でも、百は転生者でしょ?」
「なるほどね……そうだ、じゃあ私にも治癒魔法が使えるのかな」
「うーん……」
「この間読んだ本に『治癒魔法は聖女だけに使える術だが、ある条件を持つ人間が二人揃う時力は発動される』って書かれてたんだけど、これ私達に当てはまらない?」
そう言うと、あかりはまた黙り込んでしまった。
もしかして、当てはまらなかった?
すると、あかりは私の手を握った。
「やっぱり私達は運命で繋がってたんだ……!!」
キラキラと目を輝かせながらこちらを見るあかり。
どうやら私の予想は当たっていたようだ。
これでやっとスタートラインに立つことが出来た気がする。
でも、問題はここからだ。
「あかりは魔族って知ってる…?」
「うん、もちろん。どうしてそんな事聞くの?」
「玲央様がね、もし俺が魔族だったらどうする?って…私は玲央様は玲央様だよって答えたけど」
「不安?」
「不安じゃないって言えば嘘になるかな……」
「うーーん……月城さんは、百の事を傷つけるような事はしないと思うよ。それに、百も信じてるんでしょう?」
「それは……!」
「じゃあ、大丈夫だよ!」
あかりはニコッと笑ってそう言った。
私を安心させる為なのか、
「それに、万が一のことがあったとしても、私がいるから大丈夫!」
なんて言って胸を張っていた。
その姿を見て、思わず笑みがこぼれてしまう。
あかりと一緒に居ればどんな事も乗り越えられるような気がした。
「でも、気になるよね……」
「うん、ね?明日調べてみない?せっかくの休日だしさ」
あかりの提案に賛成して、二人で色々話していたらいつの間にか時間が経っていて 外は暗くなっていた。
それから私達は明日に備え眠りについた。
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