生生Ⅱ

猫浪漫

出戻リスト

カクヨムに約三年ぶりに帰って参りました。


出戻る精神には、囚人根性のようなものが含まれ、刑務所から帰ってきたような気分で実家に戻るもののようでもあります。


ですから今はこんな自意識過剰な文章を連ねるのも、少し面映ゆい気持ちです。



実のところ、わたしはこれまでに同じ仕事、同じ職場を4回も出戻りしたことのあるほどの現世輪廻の達人――謂わば生粋の「出戻リスト」でもありました。


辞める理由は不眠症だったり、恋愛のもつれやらもあったりするのですが、ちょっと隣のオッサンの虚言癖が板についてきたくらいでも辞めるのがわたしでした。


「きみがオッサンの話を聞くのが悪い」


などと、わたしの愚痴を煙たがった連中は、そうやって非難してきたものです。


わたしはこれまでに片手で冷蔵庫を持ち上げて、人間に投げつけたことのある――というスーパーマンに就職出来そうなオッサンにも出会ったことがありますが、つまりそいつの話を聞いたわたしが全部悪いのです。


即ち、わたしの退職理由はスーパーマンとの対話に疲れたからという自己都合です。


それと麻雀の役満の清老頭をソーロートーといったり、四暗刻をスゥーマンコ―といったりするところもだいっきらいでした。

草彅剛が言う分には全く問題がないのですが、スーパーマンが言うのは許せないです。



正直なところ、現在はほとんど小説そのものは書いておりません。

正確には、マンガを描くことにシフトしています。小説の文体的なものは取り入れていますが、ネームで話を作ることが多いのです。


文章がメインだったときは割と自己主張や個人的に感じたことを物語に消化するという憑依型の仕組みが多かったのですが、今はキャラを考えたときに、その人間が一体どういう人間なのかということを実際にそのキャラと対話しているような感じで作ることが多い訳です。


まあ謂わば懺悔室でキャラの主張を聴く悪徳神父のような感じです。



例えばですが、まず適当にラフ画でキャラを描きます。細い目の人生が暗そうな女を描いたとします。


すると、次のようなことを言いそうなお姉ちゃんが脳裏に浮かびあがります。


――妹とわたしの顔はほとんど見分けがつかないくらい一緒。

ただ一点だけを除いて。


おかあさんは妹に自分の瞳をあげた。

綺麗な平行型の二重をあげた。

なのにどうして、わたしにはくれなかったの?


そのくだらない目玉はなんですか? そのでしゃばりな瞳はなんですか?


お父さん――おまえの遺伝子をわたしに押し付けるな


だが、母は亡き夫の瞳を長女にみていたので、彼女が瞳を変えていこうとすることを阻止しようとするのであった。



――嫌ですよね、こんな娘。平たくいえば

お父さんがとってもかわいそうです。


このあとお母さんを刺して湘●クリニックにいくまでの文学ができあがりそうです。

でもこういう女の人って嫌いじゃないんですよね。


どうせ平行二重になったら、歌舞伎町あたりで連日立ちんぼして女の価値を確かめに男と寝まくりながら、奥広二重を小馬鹿にするふしだら女子になるに決まってるんですよ。


もちろん、ラストは行為の最中に29800円で行った激安埋没法の糸が切れてしまうというバッドエンドです。



なもんで、今後の出戻り活動方針なのですが、どちらかというとマンガを描いたら、それをノベライズしたものをここに載せていくような感じになると思います。


そんなわけで、またよろしくお願いいたしますね。

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