ゼロ概 SS 月城雫の日常 外伝
すみか@小説家
トイレの花子さん
食堂から近い1階の女子トイレ
5時限目の授業をサボってまで私がココにやって来たのには理由があった
それは白昼にも関わらず堂々と1階の女子トイレに〝ヤツ 〟が侵入し 2年の春日歩に接触をはかったそのことが原因で
その理由や目的がこちらの理解に及ばなかった
その事を理解しうる その為の何か痕跡が残っていないかを探るべく足を運んだ次第である
ただ
お昼休みのあの現場で〝ヤツ 〟に個人的な接触をさせないコトは可能ではあったのだけど… それをするコトによって その後に起こりうる結果や その先の可能性が予測できなくなる懸念から
あの時 あの場所では行動を制限せざるえなく
諦め妥協するしかなかった裏背景…
だが
欲を言えばあの時 外から中の様子を伺う
そういった事も出来ただろう それを少し悔やみもした
しかし
お昼休憩の時間帯は食堂付近の廊下には生徒が多過ぎたのだ
もし仮にあの時あの場所で不審な行動をしていれば その行動内容にもよるのかもしれないのだけれど それだけで他者に奇異の目で見られるかもしれない そのリスクがあり
それを極力避けたかったのも事実である
それに女子トイレ付近に もし私の存在がある
そう〝ヤツ 〟こと若林に悟られてしまえば それが発端でまた別の派生から何か別の要因や新たな要素生まれてしまう
その可能性がある事を懸念したのも
諦めた理由の一つだったりもした
そして今しがた
女子トイレはあらかた調べたところなのだけど… 特にコレと言った痕跡は見つからず
収穫はゼロと残念な結果に終わってしまい
何か次の策を考えるべく たった今 私は女子トイレの真ん中の個室に入った そんなところ
私はスカートの中に手を入れると
裾から両手でパンツに指をひっ掛け
それを足元まで下ろし
便座に腰を掛けた状態になり
ヨウをたした(催した)
ジョロロロ…
あの作者さん… 御言葉ですが この描写はホントに必要なコトなんですか? かなりの疑問が残るのですけど…
一応6時目の授業は出席する予定なので
今の内にヨウを済ませておくことは
私自身が良しとし判断したことではあるのだけど
何故だか腑に落ちない …
などと 考えていた時
そろ〜り
5時限目の授業中である こんな時間に誰か
が この女子トイレに入って来たようだ…
まあ 私も人のことを言える立場ではない
だが しかし 入って来た人物は
見つからないように物音を極力は殺しては
いるものの… 気配を周りに同調させ隠れる
そのようなコトは まったくできていない
カナリ お粗末な人間ではある
まあ それを一般の高校生に求める必要はないのだろうけど それにしても この気配の主は一体何がしたいのだろうか? その疑問だけが頭に残った
そして 声には出していないものの
何か1人でブツくさ言っているかのような
この気配…
私はヨウをたし 拭き拭き し終えてから
しばらくした頃合いを見計らい 声を掛けた
「あの〜? … 誰か居ますよね?」
この場合 少し怒った感じの方が良いのだろうか?
など少し考えたが 今の私の言葉遣いに 相手が
どの様に捉えるかは 相手によるのだけど
直ぐに返事が返ってきた
「… あっ ごめ〜ん… チョット人探しててさぁ…」
よく解らない 言い訳じみたコトを 言ってきたが
女生徒であるコトもあり バカっぽい発言に
悪い人間ではないのだろう そう判断したが
バタン
「こんな時間にですか? それって おかしくないですか? 今 授業中ですよ」とりあえず相手のマウントを取っておこう♪
個室から出ると そこには見知った顔が…
なるほど この奇抜な行動は彼女だったのか…
危害と言う意味での危険はナイけど
彼女の行動が 今のこの世界に影響する
ことは カナリ 厄介ではある
本田未咲 の 思惑の狙いが 一点に集中している
そんな 存在であるからだ
まあ とりあえず
「…そもそも 2年の人ですよね? 何故1階に?」
「…それは あなたにも 当てはまる事だと
思うんだけど?」何かよく解らない反論をしてきた
「私はサボってたんです 何か問題でも? 1階は
1年のエリアですし サボってるのが バレにくい
教室から離れている このトイレに居るのは 必然
では?」 と応戦しておく
…ぐぬぬぬ と言った顔か
「あっ あたしは 説明すると 長くなるから 説明は
しないけど 事情があってだよッ!」また訳の分からないことを彼女は言ってきたが 嘘の付けなさそうな正直な言い回しは 嫌いではない
「…ふーん まあ 事情は誰にでも あるでしょうし
これ以上の詮索はしません」そう言っておく
学校に居る 彼女の側で 長居するコトに
メリットは存在しない 逆にデメリットになりうる
「それでは 私は行きます そこを退いてください」
「えっ あぁ 何かサボってるの邪魔しちゃった
みたいで ごめんね」 と道を素直に譲ってくれた
「いえ もう此処に用はないので それでは失礼
します… 」
そうだ 少し カマをかけて おこう
「明石先輩」振り向く事なく横目で
これで私の存在が 彼女の中に 何か残っただろう
今は これでいい そんな考えをしながら 私は
6限目の授業に向かうべく 食堂付近 1階のトイレを
後にした
キーンコーン
そして6限目の終わりを告げる鐘の音が
廊下に響き渡った のだった
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