第24話
「莉静はすぐに助け上げられましたが、何日も意識が戻りませんでした」
浩宇は、そこで言葉を切った。辛そうに唇を震わせ、微かに息を吐く。言葉も出ない志乃を
「悪いことは続けてやって来るものなのか、その後、莉香の容態が急変しました。そして懸命な治療の甲斐なく、莉静が目を覚ます前に、莉香は帰らぬ人となりました」
組み合わせた指が震えている様に見えた。言葉を絞り出すように、浩宇は続けた。
「何日も死線をさまよった莉静が
「母も後悔していました。けれど一度口にしてしまった言葉は取り消せない。覆水難収、もう、どうしようもなかった」
苦しそうな声が途切れ、浩宇は再び顔を上げた。
「
何も言えなかった。
「父が海外へ
浩宇は少し落ち着いた口調になり、
「君が見たユーチューブは初期のものです。ホラーな噂が立ったことは予想外でしたが、そのお陰で登録者が少しずつ増えていきました。それに今年の夏、君に出会ってから大きく変化が見られたんです。感性がより豊かになり、音の幅が広がりました。登録者は
浩宇は先程の
「あの子が元に戻ることは、もう無いのかも知れない。一生あの部屋から出ることは出来ないのかもしれない。けれど、それでもリーシャンが幸せを感じる瞬間があるのなら、一時でも笑顔でいられるのなら、私はそれで良いと思っています」
「あの子を、支えてやってはくれませんか」
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