メールが送れない

アドレスを変更するのが怖い

もうメールが届かなくなってるかもしれないから


番号を知ってるだけじゃ友達とは言えない

連絡するのを怯んでいるようでは

友達とは言えない


重いと思う

でも軽くなんて考えられない

前のようには


かつては暗記していた彼の電話番号が

今は全く思い出せない

これは記憶力の話じゃない

とても幸せだった毎日の話


せっかく仲良くなれそうだったのに

俺の理屈が君を怖がらせてしまった

猛省しなきゃ

だけどもう単純になんて考えられないんだ

もう怖くて怖くて仕方がないんだ


例えば結婚してて、

子供がいて家庭があって、

そしたらもう前のような気軽さはない

あなたとは間が空きすぎている

もうどうやってメールしたらいいのか

さっぱりわからない


あなたの方から動いてきてはくれないだろうか

それが望みすぎということはわかってる

だけどもはや俺から行動を取ることはできない

もうあなたのことがよくわからないから


アドレスを交換するのが怖い

もうそこで終わってしまうかもしれないから


いっそこの機械を手放してしまえば

そしたらメールが送れない理由ができる

だけどこの現代社会じゃそうもいかない

そうしてアドレスを繰り返し見続ける

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る