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目次
A Cockroach’s Dreams
彼はいつも夢を見ていた
自分以外の何かに生まれ変わる夢
今よりもっと“いいもの”に生まれ変わった夢
怯えながら隠れながら
なぜこんな風に生まれついてしまったのだろう
驚かれて叫ばれて
ただ生を全うしたいとそればかり
殺されてしまう危険性を抱えながら生きている
それはとても濃く強く
存在の発覚が殺害の合図
ひっそりと生きていてもいつ暴かれるかわからない
日々絶望の中で生きている
嫌なことの繰り返し
でも近頃じゃそんな毎日にも慣れてきて
むしろ笑える時もある
だからたまにいいことがあったりすると
どう対処したらいいかわからないから
だからどっちみち頭がおかしくなりそう
普通に生きていきたい
穏やかに生きたい
そんなことすら叶わない
なぜ生まれてきたのだろうか
彼はいつも自分自身の存在を
酷く醜い生き物だと思い知らされていた
だからいつも別の何かになりたかった
みんなに嫌われない存在になりたかった
安らかに生きていける存在になりたかった
あるいはそれは俺の夢
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