ゆずりはのにっき
楪 玲華
20230318
睡眠薬だと言い聞かせながらラムネを3粒飲み込んで、ああ、私の苦しみは誰にも分かられないまま亡くなっていくのだ、と思いました。白い糖衣錠をひと瓶じゃらじゃらと流し込んだ、その甘さだけが記憶に定着して、私は今も風邪薬を飲むのが苦手です。
幼い頃、朝のテレビを見ながらヒーローのかっこよさよりも敵に怯えていた私は、誰かのヒーローになることは勿論、自分すら守れなくなってしまったのかもしれません。得体の知れない大きな闇に襲われていて、いっそ全部吐いてしまえたら楽かもしれないと意味の分からないことを考えて、明日の朝ごはんまで無くしてしまいました。自分で自分の首を絞めると言いますが、他人に首を締められる方が珍しいのではないかと考えかけてやめました。
なんだかほんとうに頭が回らなくって、鏡を見たら片方の目がぴくぴくしていて面白いなと思いました。泣きたい時に泣けたらそれって都合がいいなと思いました。嫌なことを嫌って言い続けたら世界って滅びるのかなぁと思いました。私が5才児に戻ることはできないし、あなたも違う名前で生まれなおすことはできない。
現実って残酷だからせめて誰かに愛されたいなぁと思いましたが、でも白線より外側に居て欲しいし、でもそれってわがままだし、考えたらよく分からなくなりました。来世はふわふわ毛並みの白猫になりたいです。かってください。
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