子供の寝かしつけ

第3話 母と子の心温まる寝かしつけの物語

ある日、小さな男の子がベッドに寝そべっていました。彼は一日中遊んでいたため、とても疲れていましたが、眠ることができませんでした。

そこで、お母さんがやってきて、彼にお話をしてあげることにしました。「今夜はどんなお話が聞きたいの？ お城の王様や、宇宙の冒険物語でもいいんだよ」とお母さんは言いました。

男の子は考えた末、お母さんに言いました。「今夜は、動物たちが主役のお話が聞きたいな」と。

すると、お母さんは笑顔で男の子に向き直り、始めました。「ある日、森の中に住む動物たちは、大変なことになってしまいました。」

「おおお、どんなこと？」男の子は聞き入りました。

「それはね、森の中にある大きな木の上で、一匹のこうもりが突然現れたのよ。こうもりは、木の実を食べるためにやってきたんだって」とお母さんは続けました。

男の子は興味津々で、お母さんが続けるのを待っていました。

「でもね、こうもりはとっても欲張りだったのよ。森の中に住む動物たちが持っていた宝物を全部欲しがったんだって。」

男の子は驚きながらも、お母さんの話に聞き入っていました。

「そこで、森の中に住む動物たちは、こうもりに宝物を渡すことにしたんだ。でも、一匹の猿だけは、自分が持っている宝物を渡したくなかったんだ。」

男の子は心配そうな顔をして、お母さんに訊ねました。「猿は、どうしたの？」

お母さんは笑って男の子に言いました。「猿はね、自分が持っている宝物を隠してしまったのよ。こうもりは、それを知らずに去っていったけど、猿はとっても満足したのよ。」

男の子は、ほっとしたような顔をして、お母さんに言いました。「それで、動物たちはどうしたの？」

「動物たちはね、こうもりが去った後、猿が隠していた宝物を見つけたのよ。そして、みんなで分け合って、とっても幸せな時間を過ごしたの。」

男の子は、満足そうな笑顔を浮かべて、お母さんに言いました。「良かったね、動物たちはみんな幸せに暮らせたんだね。」

お母さんも優しい笑顔で男の子を見つめ、続けました。「そうなの。そして、動物たちはその後も、毎日楽しく過ごしていたの。」

男の子は、そんな動物たちの様子を思い浮かべながら、目を閉じました。そして、少しずつ眠りに落ちていきました。

お母さんは、男の子が深い眠りに落ちたことを確認すると、そっとベッドから立ち上がりました。男の子の顔に手を置いて、そっとキスをしてから、部屋を出ていきました。

そして、お母さんは「良い夢を見てね、私がそばにいるよ」と、男の子に囁きかけながら、部屋の明かりを消しました。そして、静かに扉を閉め、男の子の寝息を聞きながら、自分も眠りについたのでした。

それから、男の子は毎晩お母さんにお話を聞いて、優しく寝かしつけてもらいました。そして、心地よい夢を見ることができて、毎朝、目覚めたときには笑顔で起きることができるようになったのでした。