復讐令嬢は断頭台で踊る
七芝夕雨
序幕 復讐令嬢は断罪される
「ユースティア・シルヴァリオ公爵令嬢。君の犯した数々の罪を、今こそ私たちの手で暴いてみせよう!」
そう言って
それでも今は、この感情を誰かに悟られる訳にはいかない。純白のドレスを
「身に覚えがないと言えば?」
「無論、否定してもらって構わない。だがこの証拠を前に、いつまで軽口が叩けるかな?」
特別冗談を言ったつもりはないのだが、
──そう。例え冤罪だろうと関係ない。真実など二の次、より魅力的な最期に天使は微笑む。
その天使こと裁判官は、一連の事態をバルコニーから見下ろしていた。椅子の肘掛けに頬杖を突き、バウタの仮面で微笑む様は正しく天上人と呼ぶに相応しい。光り輝くシルバーホワイトに、絶海を思わせる深い
天使、曰くレンブラント帝国第二皇子は
「裁判官として命じよう。御両人、互いの正義を賭けて、存分に潰し合ってくれ給え」
ホール全体に響く、美しいテノール。開廷の合図に群衆は湧く。無様に罵り合う二人の姿を、今か今かと心待ちにしているようだった。
「……とんだ茶番劇ですね」
結末は果たして、悲劇か、喜劇か。
ユースティアは
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