七つのホルンと夢幻の世界 〜7 Headed Allies〜

UD

第一の夢

第1話 <三角>会議

「今回はどうするんだ? ほんと毎回使えねえやつしか現れねえな」

「口が悪いぞ、ウィ」

「うるせえよ。次の仕切りはお前か、ガル?」


「ああ、そうだ。次は少し嗜好を変えようかと思うがどうだ?」


 暗い部屋に三つの影が見える。

 一人は机の前に座り、もう二人が向かい合っている。机の上には大量の書類が散らばっており、三人は緊張した雰囲気の中で話し合っている。


「面白いことを考えてるなら賛成だ。文句はねえ」

「ふん、ウィよ。お前はもう少し真面目に考えられんのか?」

「うるせえんだよ。オレはどうなってもかまわないっていつも言ってるだろう?」


「しかしこのままというわけにもいくまい? なあガル」


「オト、お前には何か考えがあるのか?」


「このまま無作為に選んでも同じことの繰り返しであろう。ならばこちらがある程度選定しなければ進むものも進むまいて」


「なるほど。良い考えだ」

「どうやって選ぶんだ?」


「まあそれは今のあやつらの世界に合わせるしかあるまい」


 影はそれぞれなぜか頭から角が生えているように見える。

 ひとりは一本の角、二人には二本の角がそれぞれ生えているようだ。


「まあそのあたりは任せてもらおう」

「おぬしがそれでよいなら任せよう」

「ああ、構わないぜ。面白くなるならオレはなんでもいいぞ」


「では、選定の件はガルに任せる。さて、七頭についてだが」

「あいつらはほっときゃいいだろう」


「そうもいくまいて。もうずいぶんと長い間務めさせておるしな、そろそろそちらも血の入れ替えが必要であろうて」


「ふん! ま、それもオレにゃあ関係ねえな。面白くなるならそれでいい」

「七頭の件については、またいずれでよいのではないか? まずはできるだけ早く適格者を見つけ出さねばならんだろう」


「うむ」

「ああ」


「適格者をみつけだし、我らの基に来てもらわねば我らとて」

「オト。お前はまだそんなことを言ってんのか? これまで現れなかったんだ、適格者なんていねえんだよ」


「ウィ。いいかげんにせぬか!」

「けっ! 本当のことを言ったまでだ」


「ウィ、ガル、いいかげんにせんか。我ら三角の決断がどれほど大切なものかわからぬわけではあるまい」


「へいへい」

「うむ。すまぬな」


「さあ、それでは次のゲームを始めてもらおうではないか」


 角の生えた三つの影がゆらゆらと揺れ動いていた。

 なぜかその姿は不気味で、不安を感じさせる。



 数か月後、ゲームの幕が上がる。

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