第4話

 俺は飛び起きた。といっても起きた直後で意識がはっきりしておらず、人間の感覚で飛び起きたせいで上手く立てずに、また横になった。


 倒れた衝撃で意識がだんだん覚醒してきた。


 周りには誰もおらず、川の流れる音だけが聞こえる。


 どうやら、今回は運良く無事だったようだ。


 アドバイスするなら、これも教えてくれよ…


 そうだ、俺進化したんだった。確認しよ。


 あの平坦な声への愚痴を止め、切り替えることにした。


「くおっん」


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【名前】テンヤ

【種族】地狐

【状態】空腹

【レベル】1

【HP】 13/21

【MP】 5/30

【攻撃力】 14

【防御力】 8

【魔法力】 23

【素早さ】 13

【称号】 九尾の狐の加護


 《鑑定》 《剣技》 《無限の胃袋》 《光魔法》 《噛み付く》 《神通力》


【スキルポイント】14


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 お、結構強くなってる。


 だけどなんか、魔法系が上がってるけど防御力が低い…紙装甲だな。


 まぁ、いい。そんなことより、前から気になっていた【スキルポイント】だ。


 やけくそでブルベフ食ってたけど、ちょっと違う魔物食いたいしな。


 あれ?けど、どうやってスキルポイント使うんだ?【スキルポイント】を鑑定しても


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 スキルポイント・・・スキルを得るために使うポイント


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 としか出ないし。


『表示します』


 あの平坦な声が聞こえた瞬間表示されているステータスが切り替わり、大量のスキルが並んだ。


 中でも目を引いたのが 《魔眼》 《千里眼》 《狐火》 《空中歩行》だ。


 いや、もう全部使いたいじゃん。俺の中の厨二心がうずく。《狐火》とか明らかに《神通力》関係だし。


 ただ、消費スキルポイントは《魔眼》は120P 《千里眼》は90P 《狐火》は4P 《空中歩行》は75Pだ。


 明らかに取らせる気のないポイントがいくつもある。


 レベルが1上がる度に2Pしか貰えないから、《魔眼》なんてレベルを60も上げないとだめだ。


 ま、《狐火》が取れるんだし、我慢するか。


 スキルポイントで《狐火》を取得する、と念じればステータスに《狐火》の文字が追加され、スキルポイントが4減っている。


 だけど、これだけでは不安だ。ブルベフ以外の魔物がどれだけ強いかまだ分かってないから、開幕すぐにやられるなんてこともあるかもしれない。


 だから、今回は今の俺に出来る最大限の戦力で戦うことを決めた。


 もう一度スキルの欄を見せてもらい、有用で安いスキルを探す。


 しかし、そんな好都合なものは中々見つからない。


 あれ?《狐火》がまたある。


 スキルの欄の膨大な量のスキルから《狐火》の文字を見つけた。バグかな? それとも、何かの仕様? 消費スキルポイントも8Pに増えてるし。


 本能と理性がぶつかる。本能では《狐火》が気になって取得したいが、理性では1つでも確実で有用なスキルを取得したい。


 数分争った結果、本能が勝った。


 異世界にまで来たんだから自分の思う通りにしようという考えが戦犯とMVPだ。


 8Pの《狐火》を取得して、ステータスを見るとこれだ。


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【名前】テンヤ

【種族】地狐

【状態】空腹

【レベル】1

【HP】 13/21

【MP】 5/30

【攻撃力】 14

【防御力】 8

【魔法力】 23

【素早さ】 13

【称号】 九尾の狐の加護


 《鑑定》 《剣技》 《無限の胃袋》 《光魔法》 《噛み付く》 《神通力》 《狐火》


【スキルポイント】2


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 変わってねぇ!!


 いや、変わってる。確かに《狐火》が増えて、スキルポイントも2になっている。だが、8Pの《狐火》が反映されてない!


 そんなことあるか!?


「こぉん!?」


 血眼になってステータスを何度も何度も見る。


 これに自分の命がかかっているかもしれないから当たり前だ。


 そうだ、鑑定!


 《狐火》を鑑定すれば、何か分かるかもしれない。


「くおっん!」


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 狐火(レベル2)・・・《神通力》を用いて発する炎


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 あー、良かった。多分、この(レベル2)が《狐火》の8P分だ。


 ていうか、《神通力》て何だ?


「くおっん」


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 神通力・・・神通力を用いる《狐火》などを使う時、魔力を神通力に変える。


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 まぁ、簡単に言えば魔力=神通力てことだな。変換効率がどれ程かは知らないけど。


 よし、これで魔物狩りに行けるな。


 美味しい物を目指して、レッツゴー!

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