口無しの貴方へ〜懺悔と後悔に彩られた僕の神話〜

ゆづ

プロローグ とあるM君の独白

荒唐無稽で証拠もなく、視認している人も...ましてや理解してくれる人もいない。


そんな世界で、自分が無意識のうちに、悪気なく口にした、たった一言の言葉が...



世界を書き換えてしまったらどんな気分だろう?



例えば、一般人であるM君が何気なく放った一言が、第三次世界大戦を引き起こして、何千何億といった命が失われた。


それがまさか自分の何気ない一言が原因で...その事実をこの世界で唯一自分だけが、自分が原因なのだと認識できたとき。


そいつは一体何を思うのだろうか?


懺悔する?


後悔する?


謝罪する?



いっそのこと...死をもって償う?...



それとも...




ーもう一度世界を書き換える?




...すくなくとも、一般人であるそいつにそんな覚悟は無くて...


誰も知らないのならばと、逃げるように傍観と諦観を決め込んだ。



そして誓うのだ、もう二度とこんな事は起こさない、起こしてはいけないと。



大好きな家族に嫌われても、大切な友人を捨てる事になったとしても...


自分が不幸になったとしても...






だから...







...おのずと僕は、口を閉ざした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る