第8話 女王 卑弥呼の正体 再び運命が動きだす
米は、縄文時代後期に大陸を通じて、伝来した。それと共に、伝来したものがある。
それが、石だった。
当時の日本は、あらゆるものが中国大陸の朝鮮半島を通じてやってきたのだ。
米のあとには、金属工芸、仏教、漢字、須恵器などが渡来人によってもたらされた。
当時の日本を知る手篝となるものが、中国の書物に記されている。それが、魏志倭人伝である。稲を栽培する段階から、生産する段階になった時代である。2世紀の終わりの頃には、争いが起きたことが記されている。これは、日本列島だけではなく、世界においても言われていることだ。
作物を生産する段階になった時点で、争いが各地で起きている。それは、日本列島も例外ではなかった。
その乱を鎮めるべく、女王卑弥呼を立て、29国ほどの小国が生まれた。
「鬼道を事とし、衆を惑はす」とこう記されていた。外交に優れていた面もみると、怜悧さも持ち合わせていたこともわかる。
卑弥呼は、人前に姿を現さず、弟にしか姿を見せていないとされていて、卑弥呼が亡くなった後の墓は、どこにあるかはっきりされていない。謎に包まれた人物である。
一説では、卑弥呼はシャーマンだった。
では、どうやってその力を手に入れたのか?それは、巨大隕石の欠片だったのである。
地球規模の莫大なエネルギーを生み出す可能性のあるその石で、29国ほどまとめ上げたのだ。しかし、卑弥呼は気づいていた。秘めている無限の可能性を。
しかし、文明や社会が不十分であるこの国では、石を手にした途端に、日本列島だけでなく、世界も跡形も消してしまうだろう。
まだ、この国には知識と知恵が必要だ。石をコントロールすることは、もっと先の時代の人たちが行うべきだ。
今は、石のありかを残す術がない。
しかし、運命が再び動き出す時、石の存在に気づく人物が出てくるだろう。今は、ただ埋めるだけでいい。
卑弥呼は、その石を自身がまとめあげた近隣の土地に、ただ埋めるだけをした。
シャーマンの正体は、隕石の力であったのである。
時を超えて、江戸時代 滋賀県大津市坂本出身 木内石亭が、石を拾った。近畿地方である。
―再び、運命が動き出した―
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます