【投稿停止】不登校になった超絶美少女を助けたら、同じく不登校の俺に人生をやり直そうと提案してきた 〜2人仲良く再登校して無双しますっ!〜
穂村大樹(ほむら だいじゅ)
プロローグ
第1-1話 同志の出会い
1月24日火曜日、午後13時30分。
人々の年末年始気分は完全に消え去り至って普通の生活に戻った頃、俺はゲームセンターで1人、猫のぬいぐるみを狙ってUFOキャッチャーをプレイしていた。
今日は平日。
高校1年生の俺、
それなのにこうしてゲームセンターにやってきてUFOキャッチャーをプレイしているのは、俺が不登校であるからに他ならない。
人間関係を上手く構築するのが得意ではなく引っ込み思案だった俺は、高校に進学してから友達を作ることに失敗しクラスの中で孤立してしまった。
その後も根本的な性格を変えることはできず、友達を作ることに失敗し続けいじめのターゲットにされてしまい、こうして不登校になってしまったというわけ。
思い出すだけで不快になるのでいじめの内容は語らないでおこう。
とはいえ、こうして毎日ゲームセンターで遊び呆けられているのは俺をいじめたいじめっ子たちのおかげとも言えるので感謝する必要さえあるかもしれない--っていうのはただの強がりだけど。
不登校になってから毎日のようにゲームセンターへやってきてUFOキャッチャーばかりプレイしているのはやることが無いのもあるが、それ以上に心の奥に引っかかっているどうしようもない気持ちを紛らわすのが目的だった。
ゲームセンターの騒がしい雰囲気の中でゲームに集中している間だけは気が紛れ、どうしようもない気持ちを落ち着けてくれる。
しかし、その効果が持続することはない。
家に帰ればまた心の奥に引っかかった何かが顔を出し、俺の心を侵食していく。
不登校になってからの俺はそんなどうしようもない毎日を送っていた。
今日もできればまだ帰宅したくはないが、そろそろ帰宅しなければ学校帰りの同級生と鉢合わせる可能性もある。
もうそろそろ帰宅しようと思い出口の方向に向かって歩き出したその時、何やら声が聞こえてきた。
「ちょっと、やめてくださいっ」
聞こえてきたのは女の子が何かを嫌がっている声。
その声を聞き、ただならぬ雰囲気を感じた俺はUFOキャッチャーの機体から顔を出して何が起きているのかを確認した。
視線の先には音ゲーの機体の前で俺と同い年くらいで帽子をかぶりマスクをしている女子を取り囲む3人の男が見えた。
男たちは見るからに悪そうな見た目をしており、どうやら無理やりナンパをしているらしい。
「いいじゃん。暇してるなら俺らと遊ぼうよ」
「そうそう。俺たちが楽しいこと教えてあげるからさ」
「おま、楽しいことって……はーっははは‼︎」
男たちは女の子のことなんてお構いなしで楽しそうにしている。
女の子の方はというと、マスクをしてはいるもののマスク越しにでも顔を顰めているのが分かる程嫌がっていた。
「いいからやめてくださいっ。もう帰りますから」
「おい、ちょっと待てって。ワガママ言わずに遊ぼうぜ?」
「は、離して‼︎」
……。
面倒事に首を突っ込む必要は無いし俺があの女の子を助ける義理も無いので、普通に考えればこのまま見て見ぬふりをしてこの場を立ち去るべきなのだろう。
俺見たいなヒョロい奴が女の子を助けに行ったとしたら、最悪の場合男たちにボコボコにされて重症を負う可能性もある。
しかし、俺は一歩を踏み出してしまった。
怖がっている女の子の姿が、まさにいじめられていた自分の姿と重なったのだ。
「ちょっとあんたら、何してんの?」
俺が声をかけると男達の視線はすぐさま僕の方へと向けられる。
「なんだよお前」
「俺の彼女に手を出すのやめてくれる?」
「……」
いや頼むほんと!! 頼むから退散してくれ!!
これで諦めてくれないとなれば俺がボコボコになるのは避けられない。
「……彼氏持ちかよ。面倒くさ。行くぞお前ら」
男たちは彼氏持ちの女の子を無理矢理連れ回すリスクを犯す程頭が悪くはなかったようで、彼氏のフリをして声をかけるとすぐにその場を立ち去ってくれた。
……良かったああぁぁぁぁぁぁマジで‼︎
暴力を振るってでも女の子を連れて行こうとする野蛮な輩だったらボコボコ不可避だったし、運が良かったとしか言いようがない。
調子乗って助けに入っときながらもの凄い心拍数上がってるし。
とはいえ、今回はただ偶然ギャンブルに勝ったようなものなので二度と無茶をするのはやめておこう。
「あ、ありがと……」
女の子はキョトンとした表情でお礼を言ってきた。
初対面の人とコミュニケーションを取るのが得意ではない俺は視線を逸らしながら会話を続けた。
いやまあ初対面じゃなくても上手く喋れないんですけどね。
「お礼なんていいよ。それより君、俺と同い年くらいだろ? こんなところで平日の昼間からほっつき歩くのはやめて学校いけよ。それじゃ」
自分の言ったセリフがそっくりそのままフルカウンターとなり瀕死のダメージを負うものの、早くこの女の子との会話を終えて帰宅したいと俺は出口へと向かって歩き出した。
「あ、あの‼︎」
「どうかした?」
「……染谷君だよね?」
「--え?」
男たちから助け出した女の子に苗字を呼ばれ、俺はその女の子の方を振り返えり、顔をマジマジと見た。
帽子を被ってマスクをしているものの、どこか見覚えがあるような……。
「私、染谷君と同じクラスの
「……蔦原さん?」
女の子は帽子とマスクを外しながらとんでもないことを口走ったが、その姿を見て俺はその女の子の言葉が嘘ではないことを理解した。
驚くべきことに、俺が助けたのは学校1の美少女、蔦原彩楽だったのだ。
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