第10話

今日は、誕生日だ。

実は、ひそかに練習していたことをお披露目するつもりだ。

リナもこれは知らない。

彼女が、寝ているときに練習していたから。

時間はいっぱいあった。

まあ、ある意味で喰っちゃ寝しかやることがなかったから。

僕らは、食堂に連れられてきた。

二人が揃って座れるように座面の長い椅子が用意されていた。

僕らの両サイドにメイドが控えていた。

当主席には父が、僕らの対面には母が座っている。

僕らのテーブルの前には、ケーキが載せられていた。

誕生日パーティーだろうか。

「シンクローム、リナリア。二人共誕生日おめでとう。

こんな、私の元に生まれてきてくれてありがとう」

「シンくん、リナちゃん。お誕生日おめでとう。

私の元にうまれてきてくれてありがとう。

私をママにしてくれてありがとう」

そう両親がいった。

いろいろ気になる言葉が混じっているが今は気にしない。

「リナ」「にぃに」

僕らは、お互いを呼んでいた。

「まあ、ママかパパが最初かと思ったらお互いの名前なんてママ妬いちゃうわ」

父は、母の頭を撫でていた。

「それだけ二人は一緒にいたってことだね」

父と母は喜んでいた。

僕とレナはお互いを見つめ合う。

「「ぱぁぱ、まぁま」」

「まあまあ、リク。私たちも呼んでくれたわ」

「シア、これは嬉しいね」

僕とリナは、通じ合ってる。

双子としてなのかもしれないし、ホントに前世から繋がりがあるのかもしれないし、それは分からないけれど。

僕は、リナが好きだ。

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