義母、消失事件(後編)

警察と聞いていろいろ考えてしまったわたし。

呼び出しは、もう3回目になりますが、

一向に反応がありません。


もう帰ったのかもしれない。

インフォメーションの方に 義母の特徴を伝え、

自分のスマホ番号を教えて

そのまま帰って行こうとしたときでした。


帰りのバスの中でTELが鳴りました。

「玄関で 待ってますよ」

受付の声でした。

よくよく 聞いてみると

義母は杖が邪魔で

エスカレーターに乗れなかったらしい。

3階まで這うように行って、

そこにいるはずのわたしを探したけど

見つからなったと義母。

それを受付が見つけてくれたのでした。

やっぱり 館内にいたの です。


やっと巡り会えた。

力がどっと失せました。

「これからは、どんな時も携帯を忘れないでね」

わたしが言うと、義母はしれっとして言いました。


「でも重いもん」


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